hpmi 5 短編*シリーズ

□ノバスシリーズ
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『いらっしゃいませ〜!ってなんだ、空却と一郎か。』
「よう、凪。」
「なんだってなんだよ、それが店員の態度かぁ?」
『はいはい、2名さまご案内でーす!』

学校が終わってからの夕方、私はファミレスのホールのバイトをしている。これから夕飯時になり客足が増えるためその準備時間だがまだ少し余裕があるそんな時、友人がやってきた。

『メニュー決まったらそこのボタンね。』
「取り敢えずポテトとドリンクバー」
『はいよー。一郎は?』
「迷うな…また呼ぶ。」
『おっけ。オーダー入りまーす!』

揚がったポテトを持っていくと一郎もメニューを決めたみたいで大量のオーダーを打ち込む。空却のメイン料理も一緒にだ。うん、いつもより早い時間からキッチンは大忙しになりそう。

「凪〜」
『職場で名前連呼しないでください』
「ンだよめんどくせぇな。店員さん、制服似合ってんじゃねぇか」
『空却、それセクハラ』
「はぁ?褒めてやったんだろーが」
『ここの制服可愛いよね、それで決めたもん。』
「そんなんで決めたのかよ」
『一郎くん、分かってないなぁ。』

チッチッチ、と人差し指を立てて振るとそういうもんかよと呆れて頬杖をつく一郎。
淡いイエローのポロシャツにタータンチェックのスカートに白い腰巻きのエプロンを身に纏った私はくるりと回ってもっと褒めてと笑った。可愛い服を着られるのはちょっぴりテンションが上がる。加えて、従業員だけの制服となれば特別感割り増しで。



大量の料理を運び終える頃にはちらほらと客足も増えてきてあまり友人の相手は出来なくなってきた頃、二人が席を立ったのでレジで迎える。

『めっちゃ食べてんじゃん』
「太客だろ?」
「ごちそーさん。腹一杯だわ。今から俺もバイトだから頑張るかな〜」
『はい、次回のお会計5%オフクーポンを〜、ぽちっとな。今回のお会計5%オフクーポンにだいへんしーん』
「ヒャハ!持つべきもんは心の友ってな!」
『ちょっとうるさい、バレたら怒られるから。』
「さんきゅー!」
『またのお越しをお待ちしております〜!』
「じゃあな、凪」
「ごっそさん!」


*来訪*


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