hpmi 4 FP

□野良猫の隠れ家
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っだー!今日も負けた!!!
あともうちょいで1人勝ちだったのに!


夏も終わりの時期となったのにまだまだ秋は顔をみせない。最近は乱数にチームに誘われ、Fling Posseの一員となった。それまでも、それからも俺は花のとこに通っていた。


最初は一泊だけ泊まれればいーやと、お堅いやつ。と思ってた。2回目はないと思っていたがその日誰も金をかしてくれるやつも泊まらせてくれるやつもいなくて、近くに花んちがあったのを思い出して行ってみた。

やっぱり金は貸してくれずお堅いやつ、と思ったが一度は泊めて貰ったしと宿泊だけ頼むと受け入れてくれた。現物支給ならいいのか?


なんか花はギャンブル嫌いらしい。
まあ親父さんの全て擲ってでもってのはわからんでもないが。一つ俺と違うのは背負ってるもんがあるかないかだ。

いや、俺だってプライドやらギャンブラー魂は背負ってはいるぜ?命賭けてでもやりたいギャンブルがあったら俺は賭けてやる。でもそれは俺が一人だからだ。その選択をして関係のねぇやつを巻き込むのは賭けたもん以上のもんを失いかねない。守るべきもんがいんならしちゃいけねぇこともあるんだろうな。まぁ俺はそんなもん作るつもりはねぇけどよ。


その話しはそらしておいて、借りる立場のためフロ掃除をかってでて、どうでも言い話をしながら過ごした。
花は他の女と違って楽だった。俺の事を探ってこなければ、金以外のことはある程度受け入れてくれる。泊まる事に対して、付き合えだの抱けだの今度ギャンブルに勝ったときにあれ買えだの言ってと来なかった。
楽。ただそれだけの理由が俺をこの家に足を運ばせたのだった。



そしてある日、また泊めてもらおうと花の家に訪れると下を向いて背中を丸めて玄関の前に立っている花がいた。
震える肩、漏れる嗚咽になんかあったことは明らかだった。一応声をかけると、声を圧し殺して泣いていて、なんとなく気付いたら抱き寄せていた。


話を聞けばその口からは男を罵る口汚い言葉が羅列される。普段淡々と冷静な彼女の素を見た気がして、なんだか可愛く感じちまった。


気まぐれ。そう言ってしまえば簡単だが、俺は花に欲情したのは紛れもない事実だった。
涙に濡れて束になった睫毛。泣いてより一層赤く縁取られた切れ長のアーモンド型の瞳。
どうしようもなくこいつに触れたいと思った。



一度触れてしまえばその熱の抑えは効かず、欲望のままに花を抱いた。あいつも抵抗はせず受け入れてた、と思う。体を重ねることで、いつのまにか花の家が、花の側が、心地良くなっていたことに気がついた。



一度体を重ねたからといって、彼女は付き合いを迫ってこなかった。朝、普段通りに過ごす姿に花らしいな、と思わず笑ってしまった。
彼女にとってギャンブラーな俺は願い下げだからかもしれないが、俺もギャンブラーたるもの背負うものはいらなかったから好都合だった。


そう、まだ、大丈夫だ。


身体を重ねてお互いの深いところに触れたのに、俺はただそう思い込む。さて、今日はどこに勝負しに行こうか。チリッと俺の中で勝負師魂に火が着いた。









気づいた時、まだ間に合った




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