dream

□愛
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「此処がねこかふぇって店かいな?」

「そうですよ!さぁ、早く入りましょ!」

ドアを開けて、真島さんの背中を押して店に入らせる。

「仰山猫がおるやないか!!」

「そりゃ、ネコカフェですもの!」

「で、猫と何をするんや?」

本当に知らないんだな、と、思った。

「にゃんこと戯れるんですよ!」

「戯れる??それだけなんか?」

「少しだけですけど、オヤツもあげられますよ!」

「ほんで?」

近寄って来た猫を抱き上げると、
撫でまくり、頬擦りをする私。

「なんやねん!」

ん?

「真島さんも、ほら足元に猫が居るじゃないですか!」

「ちゃう!ワシそのにゃんこになりたいわ。。。」

「え!?真島さん猫になりたいんですか?」

「ちゃうちゃう!!浅海にそないにベッタリ引っ付いて、ズルすぎや!!」

私は何故か抱っこしている猫を真島さんに置き換えた自分を想像してしまった。

「あはは!真島さん私より大きいじゃないですか!」

「覚えときや!次の夜もまた浅海をた〜っぷり可愛がるてきめたからのぅ!」

滅茶苦茶真面目に言った言葉のせいで、恥ずかしいのを隠そうと抱っこしている猫に逃げ気味になった私。

思いっ切り不機嫌そうな真島さんをよそに、私は沢山の猫を撫でまくりネコカフェを満喫した。

楽しかったせいか、気付けば外は暗くなっていた。

「あーもうこんな時間なんだ。。。明日の仕事の為には流石に帰らないと。」

真島さんはブスくれて居る。

しかも、帰ると言い出した私に不貞腐れたように言った。

「なんやぁ〜もぅ帰ってまうんか?」

駄々っ子の様になり始めた。

「仕事は二日は連続で休む訳にはいきませんよ。」

しょぼんとした真島さんが、携帯で車を呼んだ。

「今度はもっと二人きりで過ごしてくれるん?」

私は真島さんの事が大好きだから、

「もちろんです!!」

真島さんの顔がパァーっと明るくなった。

「約束やで!!!」

私もまた会えるのが嬉しくて、

「約束です!」

迎えに来た車に乗ると、物凄い勢いで、その上凄く長く熱いキスをされたのはまるでお約束かの様だ。

「また電話するから、無事なら出るんやで!」

「はい!必ず出ますよ!」

「浅海愛しとる。」

「私も真島さんを、、、」

「ちゃうやろ!今後は名前で呼んでや!」

「私も吾朗さんを愛してますから!」

私の家の前で離れるのを惜しむ様に、そんなやり取りをしていた。

「浅海には負けへん程愛しとる。真面目にやで!」

「私も本気です!」

「ゆっくり寝るんやで!暖かくしてな!?」

「吾朗さんも、ちゃんと眠って下さいね!心配しちゃいますから!」

「浅海に心配されたい時は寝るん止めよ。今夜はちゃんと寝るから安心してや?」

「分かりました。今日はとても楽しかったです!本当に有難う御座いました。」

「また、色んなとこ行こな!」

笑顔で真島さんがそう言った。

私も笑顔で、

「はい!楽しみにしてます!」

「ほなな!」

彼は私が玄関のドアを閉めるまでこちらを見ていた。
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