dream

□約束は果たす事が出来るか
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朝、いつもより早く目が覚めた浅海は、長い髪の毛を梳かしている。

昨日の楽しかった気持ちからなのか、浅海は何をしていても楽しく思えてしまう。

女性の嗜み、化粧を薄くのせていく。

口紅はMACのシマーアンドスパイス!
派手過ぎず、地味過ぎず、とっても気に入って居るのだ。

女性の相談内容等から、
私達の様な女性を指定して来る人が多いので、やはり女性同士な雰囲気を作る為にも、化粧は大切なのだ。

「あ!そろそろ出なくちゃ!」

前に吾朗さんが戸締りはしっかりしないとダメだ!と言われてから、

浅海はちゃんと寝る前には必ず家中の鍵をしっかりかける様にしていたのだ。

住宅街を少し抜けると、

毎日通る道沿いには吾朗さんと初めて出会った、公園がある。

と、あれ?

「吾朗さん!?」

まさかと思ったが、
何とその公園に座って居たのだ。

あのベンチで。

「浅海!おはようさん!」

「また何かあったんですか?」

「いや、此処に居ったら浅海チャンを一目でも見れるんちゃうかなて思ってただけやで!」

「一目だけを見たくて!?」

「せや!したらひとめ見れるだけや無くて、ワシに気付いてくれるとはな!」

笑顔でそう言う吾朗さん。

やっぱり不思議で、変わった人だ。
やはり私の心は高鳴っている。

「コンビニ行くんやろ?」

「はい、よくご存知ですね。」

「よっしゃ!ワシも行くでー!!」

え!コンビニにまで付いてくるの?
どれだけ私の傍に居たいんだろう。

まぁる味噌汁を今日も2つと、おにぎり1個と、サンドイッチの卵、ハムチーズ、等が入っている物を1つ。

それに、いつものスポーツ飲料を二本買った。

「じゃあ、会社へ行きますから!」

吾朗さんをみると、
まぁーたしょぼんとした顔をしている。

「今日、時間が空いたら電話しますから!」

「ホンマにぃ〜?」

「はい、ちゃんと電話しますから、そんな顔しないで下さいよ?」

「ほなら、これも約束やで!!」

「はい!約束です!」

楽しみにしていて下さいね?
ふふふっと私は笑った。

「アカン何度見ても浅海の笑顔は別嬪やわ〜眩暈がするわ!」

自分では笑顔って、他の人とどう違うのか、よく分からないのだが。
そんなふうに言ってくれると何だかやっぱり嬉しい。

じゃあ、会社行ってきますね!

「朝から吾朗さんに逢えて本当に嬉しかったです!」

「ワシもやで!笑顔も見れたし、毎日朝はあそこで待つようにしよかな!!」

「毎日ですか!?それは大変ですよ?」

からかうように言うと、

「行ってきまーす!」

と、浅海は会社へ向かった。
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