夢物語 長編

□蒼天の舞姫 13
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ルクルが此方の世界に来て2年半の月日が流れた。

ユリウスの無茶振り、団長達のお相手、ユリウスの捜索、団長達の……………あげたら切りがないがこの2年半でここでの生活も大分慣れ、団員達にも顔を覚えられただろう。

そして今日は、魔法騎士団の入団試験日だ。
本当ならルクルは来る予定では無かったが、マルクスに仕事を増し増しにされ来たがっていたユリウスが来れない為に、ルクルが偵察として送り込まれた。
まぁそれはついでで、受験生が怪我した時の為の回復要員として派遣されたのである。

会場入りしようと入り口に向かっていると………何だが見覚えのある団長が受験生の頭を鷲掴みにしているような。
ルクルは来て早々のトラブルにため息を吐きながら、騒動の方に向かっていった。



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アスタとユノはグリムワールを手に入れてから半年…ついに魔法騎士団入団試験に来ていた。
試験会場名物のアンチドリに全く寄り付かれないユノに対し、アスタは鳥に囲まれ過ぎ姿が隠れるほどだ。
鳥を追い払おうと走り回っていると、前方不注意で人にぶつかってしまった。

━━━━━ドンッ

ぶつかった拍子にか鳥達はちりじりに飛んで行き、一安心したアスタはぶつかった人物に謝罪する。

「ふー…、やっとどっかいった。いや〜〜ぶつかってごめんー。」

「あ?殺すぞ小僧。」

(えぇええええ、何だ!!?コイツ!?目付きヤバッッ!首太ッッ!貫禄すげぇぇぇぇ、本当に同世代かコイツ!?)

いや、人を見た目で判断してはいけないと思い、にこやかに挨拶するが頭を鷲掴みにされたアスタ。やはり人は見た目通りかもっと悟ったが…時既に遅し。

「あ、いたいた。ヤミさん━━━!こんなトコで何してんですかもう。」

「あ?今コイツの息の根止めるトコだ。」

「えっ、いやダメですよ。」

1人の男性が止めに入るのを見た受験者達は、その人物達の正体に気付き出した。

「お…オイ━、アレって…フィンラル・ルーラケイスっ!希少な空間魔法の使い手…!しかし任務に支障を来す程のとんでもない女好きっ!」

「あっちは…ゴードン・アグリッパ…!呪術魔法のエキスパートっ!ただしコミュニケーション不可!!つかこえーよっ!!」

「じゃぁ…それを率いているあのお方が…!破壊神、ヤミ・スケヒロ…!!魔法騎士団の1つ"黒の暴牛"の団員━━━!!」
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