夢物語 長編

□蒼天の舞姫 13
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「━━受験生の諸君…待たせたね。」

アンチドリが一斉に飛び立ち、場に緊張が走った。8人の魔法騎士団長が会場入りし、場はより一層賑やかになる。

「うおおおおおッッ!」

「騎士団の団長が一堂に………すげぇぇぇ!!」

「"銀翼の大鷲"…"紅蓮の獅子王"の団長も━…!」

ルクルが団長達を眺めていると何人かが、こちらに気付いたらしい。来るとは聞いてなかったルクルをみとめ、目を丸くしている団長もいる。
ルクルは微笑みながらお辞儀をし、ヤミ達を促し上に向かっていった。



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「ウィリアム様、お茶をどうぞ。」

「ありがとう、ルクル殿。こちらに来ているとは知らなかったよ。」

「本当はユリウス様が来たかったみたいですが…流石にお仕事がありますからね。私が受験生達を偵察してくるように言われました。ですが、メインは回復要員ですね。」

フエゴレオンにも近づきながらお茶を差し出す。するとレオポルドと目が合い、歯を見せながらルクルに笑いかけている。

「ルクル殿!久しいな、元気にされていたか?」

「はい。お久しぶりですね、レオ君もお元気そうで何よりです。」

「姉上がルクル殿に会えないと嘆いていたぞ。」

「あ〜……メレオさんに会うと手合わせ手合わせで大変なので……また体力を余らせておいてからにお会いしますね。」

「レオ。余りルクルを困らせるなよ?すまないな、ルクル。」

「いえ大丈夫ですよ、フエゴレオンさん。私もメレオさんにお会いしたいですし…また、帰られた時にヴァーミリオン家にお邪魔致します。」

ルクルのフエゴレオン"さん"呼びにノゼルはピクリと反応した。

「ノゼル様、こちらにお茶を置いておきます。今日はノゼル様がお好きなアッサムが入りましたのでいれてみましたよ。」

「っ!……あぁ、すまない。」

フエゴレオンもノゼルの好みのお茶を入れるルクルにピクリと反応する。
一瞬二人の視線が合うとピリッと何かが走るが、同時にふいっと目をそらす。

間に挟まれているウィリアムはそんな2人の様子に、笑いを噛み締めている。

(おやおや……これはルクル殿も大変だ。だが、この空気に気づいていないようかな?2人も前途多難だ。)

ウィリアムは気持ちを切り替え、"魔樹降臨"で受験生一人一人に箒を与える。

「それではこれより、魔法騎士団入団試験を始める…!」



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