夢物語 長編

□蒼天の舞姫 5
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ユリウスと契約をしてから3ヶ月━━



パタンッ

「………ふぅー。」

分厚い本を閉じ、ため息を吐く女性━ルクル・ベルベットは全ての本を読みきった達成感からか、いつもしないであろう首を解す動作をしていた。

(流石に3ヶ月でこの国の歴史、魔法、組織、王政を全て網羅するかのは疲れましたね。でも、なんとか間に合ってよかった。)

ルクルは窓から見える中庭を見ながら、もう一度ため息をついた。



━━━━━━



ユリウスと契約をした数日後、色々爆弾発言を行った新たなマスターによりルクルはこの3ヶ月間…………大変な目にあった。

「そうだ!!ルクル君を僕のもう1人の側近をしてもらうのはどうかな?そうしたらこの国のこともよく解るだろうし、何より魔法騎士団とも国民とも接する機会も増えて一石二鳥だね!!そうとなったらグリモワール!!もう授与式待たずにいけるように許可出しといたよ!!いや〜ルクル君がどんな魔法を扱うのか楽しみだね!!あと、側近の仕事で各魔法騎士団の団長への伝達係もやってもらってもいいかな?一癖も二癖もあるけど、とても面白い子達だよ!!…えっ?この国の事とか当たり障りしか分からない?じゃぁ、基本的な情報とかがある資料室を開けるから、それを見といてくれるかな?団長達への紹介は3ヶ月後に行おうッ!!」



━━━━━━



よろしくね〜っというユリウスの幻聴が聞こえたような気がして、ルクルは現実に戻ってきた。

それからのユリウスというもの、仕事1:ぶらり旅9の割合で過ごしており、マルクスを泣かしていた。
それで魔法騎士団が機能しているのは、一重にマルクスの采配であろう。

(大丈夫です、マルクス。私が正式に側近になりましたら、ユリウス様の行動を厳しく致します。)

新たな決意を胸にルクルはグリモワールと箒を持ち、部屋を後にした。
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