忘れなれない人

□第7話
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夢莉に付き合うか?って言われて一瞬すごい期待した

でもやっぱりそんな上手くいくわけもなく、そんな態度をとられたことに腹が立ち
その日以来必要最低限学校でも話さなくなった

その代わりと言ってはなんやけど、最近百花がよく話しかけてくれるようになり二人で帰ることも増えた

毎回家まで送ってくれて百花と居たら安心できた


夢莉はだんだん授業にも参加しなくなり友達と話してるところも見ないし最近では百花と話してるところも見なくなった

「なー百花最近夢莉と話してなくない?なんかあった?」

「べつにあいつがヘタレやから話並んだけ」

「友達の悪口は言ったらあかんで。」

「ほんまのことや悪口ちゃう。彩ちゃんは昔からそうや、俺の言うことよりいつも夢莉のことを信用する。少しくらい俺のこと見ろよ」

珍しく真剣な目をした百花に少しドキッとする


「どしたん、急にそんな真剣な目して…珍しい…」

「どうせ昔から夢莉のことばっかみて俺のことなんて何も知らんやろ…俺がずっと彩ちゃんのこと好きやってことだって」

一瞬耳を疑った

百花が私のことを好き?

そんなはず…だって百花は昔からチャラチャラしてて特定の子好きになったことないやん…

「変な冗談やめてよ、昔からいろんな女の子弄んでたやん…誰も好きなれへんって…」

「少しは考えろよ…目の前で好きな女が俺の1番の親友とあんなイチャイチャしてたらやってられんやろ…いつだって俺は二番や…なにをしたってあいつには勝たれへん…そんなあいつが羨ましかった…。でも今は羨ましくなんてない、自分の気持ちに嘘ついて臆病でヘタレなあいつなんか俺が好きやったあいつじゃないねん」

「…」

「まぁそーゆーことやから。俺の気持ちだけは知ってて。別に無理に答えろとは言わんから…じゃあな。また明日」

それだけ言い残して百花は帰って行った


私はどーしたらいいんよ…

昔から百花はいつも私の隣にいた
でもそれは百花だけが居たわけじゃなくて夢莉も一緒だった

私は昔から優しくて笑顔が可愛くてみんなに人気者でそんな夢莉のことばかり見てた

だから百花の恋愛事情まで全然気が付かなかった


結局私は自分のことばかり…夢莉のこと傷つけたって思ってたけど百花のことまで傷つけて、その上あんなに優しくて大切にしてくれてた元彼のことまで傷つけた

人を好きになっちゃいけない人間なのかもしれない。


そのくせ少し夢莉にからかわれたくらいで被害者ぶってほんま最低や。



次の日気分は最悪なまま学校にいくと授業が始まる少し前に教室にいく

すると窓際の席に座った夢莉目があった


まさか目が合うと思っていなくてすぐに晒してしまう

あー嫌なやつって思ったやろな〜

それから授業を進めていくと窓際で誰かに手を振っている夢莉が目に入った

誰に手を振ってんなやろって窓の外に目を向けると…確かあれ一年生の小林莉奈ちゃんやんな

持久走を終えゴールすると夢莉の方まで駆け寄ってきて下から夢莉に声をかける

すると夢莉も満更でもない表情で授業中にも関わらず大声で話し始めた

あーきっとこの子のことが好きなんや

お前はもう必要ないって言われてる気分で
気がつくと授業中やときつく注意をしてしまった

夢莉は邪魔者は消えますと教室を出て行く


せっかく授業を受けるようになったのにこのままでは教師として最悪やとみんなに少し待っててもらうように伝えて夢莉を追いかけるとそこには足を怪我したのか心配そうに小林さんを見つめる夢莉の姿があり、ほいっと軽く彼女を抱き抱えて二人は消えて行った

もう完全に私の恋は終わったとそこで確信した


きっと今夢莉はあの子と居ることが幸せで安心できる場所なんやろう
そう思うともうどうすることもできなかった

昔傷つけた彼を今更奪いにいけるわけない

もう彼の幸せを邪魔していいわけがない

もう彼に近づいてはいけない

教師として一人の女性として夢莉の側にいることはもう許されない


私は一つの決断をした










もう誰の者にもならない





私は自分で自分を傷つけ今までたくさんの人を傷つけた分次は自分が傷つけばいいんやと



その日から色んな男の人と関係をもつようになった






そして心も体も汚れた




学校が終わり待ち合わせしてるその日の相手のところにいく


「彩ちゃんお待たせ〜今日はどこいく?」

「どこいくってホテル以外なくない?やること目的以外で会ってるわけじゃないくせに…」

「そんなこというなって彩ちゃんかわいいし別にご飯食べるだけでもいいで?」

「いいわ…ホテル行こ。私を汚してくれたらそれでいいから」

「ふーん、まぁいいか。彩ちゃんがそういうなら行こっか」



そしてその日もたくさん抱かれたくさん汚されボロボロの姿のまま家に向かった


ぼっーと歩きながらどうしてこんなことになってしまったのか考えるけど全部自分が悪いという答えしかでなかった

もう少しで家だと最後の角を曲がった時前から来る人に気づかずぶつかってしまった



「すみません!!前見てなく…て…ゆうり…」

「あんたか…なにしてんのこんな時間に」

「そっちこそこんな時間になにしてんの。はやく家かえりなさい」

「なに?次は教師面?人のこと怒れる立場でもないくせに」

「はぁ!?」

「見たでこの前ホテルから出てくるとこ、色んな男とやって楽しい?」

「楽しいわけないやろ…」

「んなやめとけそんなこと…そんなことしたって何も変わらんやろ」

「もうしんどいねん何かしてないとおかしくなりそうやねん…もうほっといて…はやく小林さんとこ行きや」

「は?なんで莉奈?」

「付き合ってんねやろ」

「付き合ってへんわ」

「嘘つかんでいいやん、これからもお幸せに。じゃ」

夢莉を通りすぎようとした時手を掴まれる


「自分を傷つけて自分を汚すようなことすんな。そんなんしても誰も喜ばん。あとそのキスマ隠しとけよ。あんた教室やろ」

「…るさい」

「あ?」

「もううるさい!!ほっといてよ!!」

なんなんよもう。
そんな目で私のことみんといてよ


可哀想な女やと思ってる?汚い女?尻軽?

なんとでも思ってくれていいわ

今更遅いねん…もう
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