忘れなれない人

□第7話
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あの日いつも通り学校終わりに待ち合わせしてる男性の所に行った

この人は他の人と少し違ってホテルではなく家に私を呼び出す。


その理由は一つ

「おい、わかってんのかこのクソアマ!!はやく股開け。今日はいっぱい中に出したるから」

「いや!!!やめて!!!はなして!!」

「うっさいねん!!俺に逆らうな」

そう言って何度も手をあげられ無理矢理足を開かれる


逆らうと暴力

じゃ行かんかったらいいやんとたぶんみんな思うやろうけど、そうは行かない

行かなかったら行かなかったで私の家も勤めてる学校も知ってるから逃げれない

それにこんなこと学校にばれたら私は間違いなくクビや


だからひたすら我慢する日々

この前も連絡を何時間も無視し続けていたら仕事が終わり学校を出ると門で待つこの人の姿があった

逃げれない


私はそういう現状に立たされてる

でもこんな現状を作ったのも間違いなく私で今更どーすることもできひんことだってわかってる


はぁ…なんでこうなったんやろ


それから何日かすぎ今日もまた連絡が来る

最近では携帯の通知が鳴るたび震える体

誰にも相談できなくて怯える日々

次第に増えてくるアザ

何が汚いって見えるところは一切アザをつけない

お腹や胸、腕や腰

服で隠れるところばかり狙ってくる


いっそのこと人から見ある所につけて誰かに気づいてほしいとさえ思った


でも教師である以上生徒にバレるわけにはいかない

今日も何事もないように元気に振る舞う


授業を終え職員室に向かおうとした時腕を掴まれた

振り返るとそこに立っていたのは


「ゆ…太田くん…どしたん」

「ちょっと来い」

もぉ滅多に使われることのない教室に連れて行かれ中に入ると勢いよく袖をめくられた

「なにこれ?」

「ちょっとやめてよ!!なに急に!」

「俺が聞いてんねん。なんやねんこれ」

「別にちょっと転んで怪我しただけ…」

「転んだくらいでこんなアザできるわけないやろ…あの男か?」

「あの男って…」

「この前門の所迎えにきてたやろ。新しい彼氏でも出来たんかおもたらそんな雰囲気じゃなさそうやったしあんたの顔怯えてたから」

「関係ないやろ…太田くんには」

「あぁ関係ないで、やけど腹立つねん。なんであんたそんなんなったん?久々会ったら昔からなりたかった教師になって大人の女性なってるわおもたらこんなわけわからんことして、なにがしたいねん」

「そんなんわからんわ!!自分でもわからん!でももぉどーすることもできひんねん!私はこうやってどんどん汚れてぼろぼろになっていく、それくらいしか今まで自分のしてきたことの償い方がわからへんねん!!」

「は?償い?なんのやねん」

「夢莉のことだってそう!!百花のことだって百花が私のこと好きなんてこの何十年一緒におったのに気づきもせんかった!!それに辛い時そばにおってくれた元彼のことだって結局好きになれんくてあんなに大切にしてくれてたのに裏切った!!私は誰かを好きになって良い人間じゃなかった!!!!」

「しょーもな。そんなことのために自分傷つけてそれで俺らに許してもらえると思ってんのか?そんなことして俺らが喜ぶか?好きな女が好きやった女がこんなんなって喜ぶ男なんておらんやろ。そいつらはどうかわからん。でも少なからず俺はそんなことしたって余計あんたを嫌いなるだけや」

「…」

「その暴力男から今日も連絡きてんのか?」

「…」

「答えろや」

「…うん」

「帰り下駄箱で待っとけ」

「え?」

「一緒に帰ったる。どうせ連絡返してないならそいつ今日も学校まで来るやろ。俺が話しする」

「いい!!そんなんせんとって!」

「だまれ。誰のせいでこんな面倒臭いことに付き合ったる羽目になってると思うねん」

「めんどくさいならほっとけばいいやん!!」

「無理に決まってるやろ。少なからず一度は好きになった女や。ほっとけるわけないやろ。じゃあな」


それだけ言い残して夢莉は教室へ戻っていった

なんなんよ…

あんなん言われたらかっこいいって思うやん。好きやってまた思っちゃうやん

知らん間に夢莉も大人の男になっていっててんなって改めて思わされた


なんであんな優しくて笑顔の可愛かった夢莉を気付けてあんな笑わん子にしてしまったのか…

そうさせたのは自分やのにこんな自分を助けようとしてくれてるのかいくら考えたってわからなくて、夢莉の優しさだってことしかわからなかった。



そのあと何とか仕事を乗り切り下駄箱に向かうと誰もいなくなった静かな下駄箱でぼっーと空を眺める夢莉が居た


「ほんまに待っててくれたんや…」

「俺は約束破る男じゃないから」

「…っ!!」

「あーあんたは約束守らん女やもんな。傷ついたか?」

「…うん。でもごめん」

「傷ついたならおわいこや。もう気にすんな」

「でも…あのとっ!!!」

「あの時の話はもう終わり。確かにあんたからしたらあの時の俺はガキやった振られたって仕方ない。それにもうあんたも散々傷ついた体的にも精神的にも…そうさせたのは俺でもあるから…もう少し俺が大人やったらこんな事にはなってないから。やから俺も悪かった…」

「ゆうり…」

「その男からは俺が守るから。やから心配すんな」


そう言ってくれた夢莉の後ろについていき校門に向かうとやはり私を待つあの男の姿があった

其の瞬間体が震えだす

それに気づいたのかそっと夢莉が頭を撫でてくれた


「大丈夫。俺が居る」

たったその一言で安心できた


校門に近づくと私に気づいた男が近寄ってくる

「彩ちゃん遅かったね、連絡したんやけど返してくれへんから心配で迎えにきちゃった」

「あんた誰?」

「僕?僕は彩ちゃんの彼氏」

「は?彼氏は俺やねんけど」

「お前が彼氏?はっはっはお前ただの生徒やろ?」

「生徒でもあり彼氏や。俺の彼女に近寄らんとってくれる?」

「は?教師と生徒の禁断の恋ってか?爆笑
笑わせんな。そんなんやるされるわけないやろ?なんなら今から俺が学校に言ったろか?」

「どうぞご自由に。そのかわりあんたがこいつに暴力振るってる事今から警察にいいにいきますけどいいですか?」

「あぁ?どこにそんな証拠があるねん!!!」

「こいつの体。それとこいつに言ってこの前お前に会う時に会話を録音させてたからそれを警察に聞かれてばいっぱつやろな?」

「っ!!!!このクソアマ!!わかったまぁ二度と近づかん関わらん約束する」

「お話理解していただける方で助かりました。それでは僕たちはこれで失礼します」


ニコッと男に笑顔を見せると私に行くでっと声をかけてくれた


「ゆうり…ありがとう。でも録音とか…」

「あーゆー時は頭を使えばええんや。嘘も方便ってやつ?」

とあの時ぶりに私に笑顔を向けてくれた

「ゆうり…ほんまにありがとう…」

「もぉええって。よかったやん解決して」

「うん。大丈夫?こんなことしといて…莉奈ちゃんやっけ?待ってるんちゃん?」

「だから莉奈とは何もないやってるやろ。俺のこと理解してそばにおってくれてるだけ。でも俺も今のままじゃあかんなって思ってたし一歩踏み出してみよかなって思ってる時にあんたがやばそうな男と一緒におるの見て最初はまたかって思ったけど様子おかしそうやったしほっとけんかっただけやから」


「そっか…」

「おう。一緒に帰るか。今日はまっすぐ帰るんやろ?」

「うん。」


無言のまま2人で並んで家に向かった
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