忘れなれない人

□第8話
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莉奈に好きになってもらえませんか?って言われて俺は今はなんとも言えへんって返事しかできなかった。

憎んでるはずなのに頭に浮かんでくるのはいつもあいつで

気がつくと考えてしまう日々

俺はあいつが嫌いや憎いんやって思っても楽しかった思い出が消えない

忘れたいのに忘れれない




はぁ…情けないな


今日も学校を終え家に帰って出かけようと街を歩いていると見覚えのある後ろ姿が目に入った


あいつ…


そこには男と一緒にホテルに入るあいつがいた

でも様子がおかしい


何が怯えてるような怖がってるような雰囲気


気になったけど、もう関係ないと思いその日はそのまま帰宅した


何日か経って授業を受けてる時に不意に見えた腰にあるアザ

あれって…まさか


様子がおかしいあいつに声をかけるとやっぱりあの男となんかあるぽい


何かを隠してる
嘘をつく時に耳を触る癖昔から変わってない


もぉ関係ないと思っていたのに自分の気持ちより先に体と言動が動いてしまい

助ける形になった



どんなけ憎くてもあんなけ好きになった女やほっとけるわけない

もぉ自分の気持ちに素直になりたい
いつまでもこんなガキみたいな態度を取りたいわけじゃない

できれば普通の友達みたいに話したい


こいつも十分自分を傷つけたんやろう。

きっと俺についた傷よりも遥かに深い傷を負わしてしまったその罪悪感もあり、やっと何年越しにまともに面と向かって話せた

いざちゃんと話してみると自然と言葉がたくさん出てきて迷いもなくすらすら会話ができた


原因の男と話し何とかわかってもらい無事に解決できた


あいつは何度もありがとうと繰り返すけど
そんなことはどうでもよかった

ただ一緒に居て普通に話せるだけで嬉しかった


好きとか嫌いとかそんなんじゃなくて長かった悪夢からやっと解放されたようなそんな気分だった


それから2人で何も話さない無言の道のりやったけど全然苦痛じゃなくてむしろ居心地もよくてあっという間に家に着いた。


「今日はありがとう。また明日学校でね…。」

「あのさ!!!!」

何も考えることもなく咄嗟に出た言葉で何を言いたいのか自分でもわからない


「えっとー。いややぱなんでもない」

「あの…ゆうり…よかったらご飯食べていかん…?今日パパママも居ないから一人で…」

「良い歳して寂しいん?」

「っ!!!そんなんじゃない…」

「ふーんまぁ腹減ったし食って帰ろかな」

「ほんま!!」

「なんやそんな嬉しいんかやぱ一人寂しいんやん」

そんなこんだで一緒に飯食う事になったのはええんやけど…


「うわ!!!」ガシャン!!パリーン

「はぁ…あんたさ料理できひんのに誘ったん?」

「ごめん…なんか出前でも…」

「いいよ俺が作る」

確かオムライス好きやったよな

昔の記憶を思い出してパパッとオムライスと簡単なスープとサラダを作った

「ほい…できたで」

ソファで待つあいつのところに持ってくとキラキラした目

ったく…ガキかよ


「夢莉のオムライス!!!」

「あぁあんた好きやったやろオムライス」

「覚えててくれたんや…」

「嫌でも忘れれんかっただけや」

「ゆうり話聞いてくれへん?」

「あぁその話か…話したいなら話せば」

「あの時はごめん…。私夢莉のことほんまに大好きで付き合えた時もほんまに嬉しくて…でも付き合って時間経った頃周りから歳下過ぎやろとか色々言われて、あの時は私も子供でそれが耐えられんくて夢莉に弟にしか見えへんとか思ってもないこと言って別れちゃって…。でも別れてからも夢莉のことが忘れれんくて…夢莉と別れた後他の人と付き合ったりしてんけど結局頭に浮かんでくるのは夢莉だけで、ずっと後悔してた…夢莉を傷つけて後悔してほんまあほ…ごめんなさい」

びっくりしたこれが真実やったんや

今まで恨んで恨んで俺は自分のことしか考えてなかったけどあれ以来この話を避けてきたけどやっと振られた理由がわかって、俺のこと最初から遊びやったわけでもないってことが分かったしちゃんと好きで居てくれてたことがわかった

それを聞いて急にあの時以来の感情がぶぁーっと湧き出てきて、ご飯を口からポロポロ落とす姿だけで愛おしい感情が溢れてくる


「そっか…ありがとう話してくれて。俺も悪かったな勝手に勘違いして恨んで憎んで酷い態度いっぱいとって」

「ううん…いいねん。でも今日からはまた1から今の私を見てほしい」

「あぁ…俺のことも今の俺を見てや」


食べ終わり片付けをして帰ろうと思うと

「片付けは私がするからゆっくりしてて?」

「ええよ、片付けしとくから風呂入って来いよ」

「ごめん…誘ったん私やのに何から何まで」

「ええから早よ行ってこいって」

あいつが風呂に入ってる間に片付けを終わらせてゆっくりしていると

「ごめん…片付けありがとう…」

「あ、あぁ////」

なんやねんこれ
めっちゃ可愛いやん

え?風呂上がりってことはすっぴんやんな?
綺麗すぎるし、風呂上がりやからか頬が少し赤く染まってて…エロい…

「ゆうり…?どしたん?大丈夫?」

「だだだいじょうぶ…!!」

「ふふ…なにそれかわい」

「ばかにすんなあほ俺だってもぉ大人の男やぞ…そんなエロい顔しやがって」

「私見て照れてくれてんの…?」

「はぁ!?照れてへんわ///!!!!!」

「ふーん…そのわりに顔赤いで?」

「お前調子のんな」

「ちょっとくらい私を見てドキドキしてくれてもいいやん」

「はぁ!?」

「夢莉があの時より大人になったように私だって大人な女性なったと思うねんけど」

「なぁ…お前さそーゆー誘い方誰にでもすんの?」

「そんなんせーへんわ!!」

「じゃ何で俺にするん?」

「…それは…私はあの時から気持ち変わってないから…。だから」

「ほんまに言っとん?今でも俺のこと好きってこと?」

「何回も言わせんといて」


ギュ…

「////…。昔からお前ってほんまずるいよな…そんな顔で言われたらどーしていいかわからんくなるやろ」


「ゆう…り」

「俺あんたのことほんまに大好きやった。こんな可愛い人と付き合えて俺は世界で一番幸せ者やって本気で思ってた」

「うん…」

「今も思ってる」

「え…」

「こんな可愛いやつにずっと想われてた俺ってちょー幸せ者やって」

「っ///…ゆうり…?」

「なぁ…もう一回俺の彼女なってや。過去のことはもうお互い忘れよ。無かったことにしよ。今からを二人で作ってこ」

「いいん…?私年上やし教師やし夢莉より先におばさんなるし…」

「もぉ年齢のこととかどーでもよくない?お互い好きならそれでいいやん」


「ゆうり…!」


「うわ!!ちょやめろや!急に!!ってかお前おっぱい当たってんねん!!」


「かわい…夢莉」


「その顔やめろ…かわいすぎる」

「なぁゆうり…」

「おかえり…彩ちゃん…」

「…っ!!!うぅ…ぐすん…」

「は?なんで泣くん!!」

「だってゆうりが名前呼んでくれた…」

「あぁそっか…ずっとお前とかあんたとか言ってたもんな…ごめんな?」

「ううん…私が悪いねん。でも嬉しくて」

「なんか奇跡やな…またこうして出会えてまた好きになれて。遠回りしたけど俺今めっちゃ幸せやで」

「私も…めっちゃ幸せまた夢莉の隣に居れるなんてまだ信じられへん」

「もう離れんなよ何があっても隣におって」

「ゆうりこそ…モテてるの知ってるねんから…」

「は?誰情報やねん、モテてへんわ」

「その顔そのスタイルその性格モテへんわけないやん…」

「俺彩ちゃんがおらんくなってからめちゃカスみたいな性格やったからみんな俺のこと嫌いやと思うで」

「ううん。夢莉はどんなけ頑張っても根が優しいから良い人オーラはなくなってへんよ」


「ははなんやそれ。俺が優しくしたのはきっと出会ったあの時からずっと彩ちゃんだけやったんやと思う」


そう言い二人で笑い合って軽く唇を重ねた


本当は何年もこの瞬間を待ち望んでた

いつかまた彩ちゃんと気持ちが通じ合うことを

そして彩ちゃんに触れることを

でも本当にそんなことが叶うとは思ってなかったから素直に心の底から嬉しかった


きっとこんな可愛い人と気持ちが通じ合い一緒に居れる俺は間違いなく世界で1番幸せだと思った


「なぁ…夢莉?」

「ん?」

「私ゆうりより年上やけど…多分めちゃめんどくさい女やで?」

「は?」

「めっちゃヤキモチ妬きやし夢莉が女の子と話してるだけでモヤモヤして黒い感情が湧き出てくるねん…それでもいい?」

「しゃーないやろ。そんな手のかかる女を扱えるのは俺しかおらんねんからな?まぁ俺はどんな彩ちゃんも好きやで…。」

「ふふ…ありがとう大好き」

そう言ってまためちゃくちゃかわいい笑顔で俺に飛びついてくる





あー俺これから先こいつと二人で居って心臓持つんかな…
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