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□シアワセ-after story-
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滝川が自宅のソファに座っている。
組んだ手を額に当て、うつむいている。
滝川の脳内に巡っているのは滝川だけが知っている、あの日あの時までの光景。
-8年前 あの日から3年後-
滝川はタキシード姿の速水と対面していた。
滝川「速水先輩、結婚おめでとうございます!」
速水「ありがとう滝川」
滝川「先輩がとうとう結婚ですかーなんだか感慨深いな」
速水「なにがだ」
滝川「だーって!あのモテモテの速水さんが結婚ですよ?」
速水「どういう意味だそれ」
滝川「一人の人に定着するなんて思ってなかったっすもん。まぁその相手があのミカちゃんですから、今じゃ納得ですけどね」
速水「その言い方じゃまるで俺が遊び人だったみたいな言い方じゃないか」
滝川「実際ミカちゃんと付き合うまではそうだったでしょう。」
速水「昔の話はやめてくれ」
滝川「すみません、。」
速水「俺はミカ以外の女には興味ない」
滝川「うーわ、かっこいい!さすが速水さんっ。」
速水「まぁな」
滝川「そういえば、そのミカちゃんにはもう会ったんすか?」
速水「朝一緒に来たけど?」
滝川「そーじゃなくて!花嫁姿のミカちゃんにっすよ。」
速水「あぁ!いやまだ。これから行くところだ」
滝川「一番きれいな姿を見てほしいからウェディングドレス姿は当日までお預け、なんてかわいいっすねー」
速水「俺は早く見たくてずっと待ち遠しかったがな」
滝川「待ってた分、最高にシアワセな瞬間が待ってますよ!」
速水「シアワセ、か。そうだな。本当に俺は幸せな人生を送ってるよ」
滝川「?これからも、でしょう。何言ってるんすかマリッジブルー?」
速水「かもな。悪い、忘れてくれ」
滝川「しっかりしてくださいよー!ほら、ミカちゃんとこ行くんでしょう?」
速水「あぁそろそろいい時間だな」
滝川「それじゃぁ俺は会場に。また後で!楽しみにしてます!」
滝川は新婦控室へ向かう速水を見送り、自分は会場へ向かった。