蓬莱の幻から
□3、桜花之恋塚
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紅かった桜の花びらの色が、年々薄くなっていく。
桜の木の下にはもうなにも残っていないのだろう。
桜はまるで妖怪のようである。
怪しい魅力で人々を誘い込み、自分が大きく美しく咲くための養分にするのだ。
今年の妖怪桜はどこか寂しかった。
木の下
(
このした
)
に人が集まることはもうないかもしれない。
_人々は桜の魅力を忘れてしまったのだろうか?
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