蓬莱の幻から

□3、桜花之恋塚
1ページ/1ページ

紅かった桜の花びらの色が、年々薄くなっていく。
桜の木の下にはもうなにも残っていないのだろう。



桜はまるで妖怪のようである。
怪しい魅力で人々を誘い込み、自分が大きく美しく咲くための養分にするのだ。



今年の妖怪桜はどこか寂しかった。
木の下(このした)に人が集まることはもうないかもしれない。




_人々は桜の魅力を忘れてしまったのだろうか?
次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ