蓬莱の幻から

□6、エニグマティクドール
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家の向かい側にある洋館の窓から、蒼い目をした女の子が僕のことを見詰めていた。


最初は吃驚してしまったよ。


何せその()がまるで人形のようだったからね。


蒼い双眸は毎日僕を見詰めていた。


それにしても_ あの顔は前にも一度見たことあるような気がする。





…………ああ、思い出した。僕の初恋の相手だ。

女の子は彼女によく似ているから、彼女の娘なのかもしれない。


彼女はどこへいってしまったのだろうか…



何時(いつ)も通り窓から顔を出していた女の子が、僕に向かって(かす)かに微笑んでいるのが見えた。
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