四神天地書

□第弐章
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巫女がいた。

他の七星士も。井宿はまだいないからまた今度顔を会わせるんだろう。

私は巫女に近づき、頭を下げて挨拶をした。


「こんにちは、巫女様。
私は四神の守護神と呼ばれる者になります。

陽茉莉と言います。
以後、お見知りおきを。」


「え、守護神さん!?
こんなところにいたんだ!と言うか凄いきれいな人!」


「私以外にこんな美しい男がいたのか……。」


「え、ちっさくね。」


巫女以外の声は無視をしてなかったことにした。

太一君はこれから巫女を帰すところだったらしい。準備をしていた。


「先程の無礼先般、お許し願いたく。
何分、試練を与えねばならなかったので。

これから巫女様、および朱雀七星士の方々をお守りするためにご同行させていただきます。」


「いっ、いえ!!
夕城美朱です!よろしくお願いします!」


そう言われ頭を下げられた。

別に構わないのに。
この巫女はどうやら、前の巫女たちと同じように資格がある。

それにホッとした。


「陽茉莉は朱雀側につくが本来は青龍も守る役目がある。

今回はワケあってこちら側についておるからな。美朱、準備はいいか。」


「はい!」


それからしばらく念じて巫女様は帰っていった。

どうやら、青龍の巫女と仲がいいのか青龍の巫女が声をかけていた。
その拍子に今度は青龍の巫女もこの世界に来てしまったが。


「さて、これから私もあなた方にご同行することになるのですが、構いませんか?」


「ああ、勿論だ。
宮殿に戻ろう。」


「では、太一君。
私は行ってきます。たまに顔を出すので。」


「ああ。」


そうして私たちは紅南国にいった。

青龍の巫女は倶東国で無事なのか少し気になったが。

命の危機にはなっていないようだし大丈夫だろうと思った。


「つか、お前なんであんな面倒なことしたんだよ!」


「太一君に言われたので。」


「男とばらすなんてひどいわ!」


「ご自分で言ったも同然では?」


そんなふざけた会話を久しぶりにした。懐かしく思った。

この懐かしさはどこから込み上げてくるのだろう。
昔の記憶なんてないのに。

他の七星士ともこんな関係ではなかった。


何でなんだろう。


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