乃木坂
□クールなあなた
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私の前に座ってる飛鳥さんの事が好き。
いつも授業つまんないって言ってるのにちゃんと受けてるところも好き。
少しでも私のことを意識してほしいけど、自分からアピールできなくて中々想いに気づいて貰えないけど、飛鳥さんの後ろ姿を眺められる特権があるから…そう自分に言い聞かせる。
携帯の通知がなる。
【今日部活休みだから一緒に帰る?】
【一緒に帰ります!】
思わず飛鳥さんの方からメッセージ送ってきてくれて笑みがこぼれる。
授業中なのにメッセージ送ってくるあたり退屈なんだろうな。
【飛鳥さんもしかして退屈なんですか?】
そう送信しようとしたけどそんな勇気なくてすぐ消した。
…私の意気地なし。
少しくらい勇気出して話しかけろ!
そう頭の中では思うけどいざ行動するってなるとダメ人間に変わる。
____今日は苦手の勉強も頑張った。
飛鳥さんと少しでも長くいれる。そう考えただけでつまんない授業も何だか楽しくなったような気がした。
「やま帰ろ」
「飛鳥さん!帰りましょ!」
「そうだ、今日欲しい本の発売日だから本屋寄っていい?」
「全然いいですよー!」
なんか飛鳥さんと一緒にいれるだけで楽しい。
普段こうして放課後一緒に帰ることなんてないから余計うきうきしてるのかもしれない。
「…やまいい加減呼び捨てで呼んでいいのに」
「えっ。なんか飛鳥さんで呼び慣れちゃったので…笑」
「何それ〜笑」
そのくしゃっと笑う顔が好き。
…これからも飛鳥さんの隣にいたいし他愛ない会話をしていたい。
「わざわざ買い物付き合ってくれてありがとね」
「いえいえ。いろいろお話できて楽しかったです!」
「そっか、それならよかった」
「それじゃあ私はこっちなので」
「うん。じゃあばいばい」
「また明日。」
飛鳥さんの後ろ姿が見えなくなるまで見送って急いで家まで走る。
今日は嬉しいことが多すぎで多分今顔ニヤけてる気がするけど今だけ許して。
「ただいま!」
親の”おかえり”の言葉も聞かずに自分の部屋へと行きベッドに飛び込む。
「あー無理無理。
飛鳥さん好きすぎる……。」
枕に飛鳥さんの好きなところをはき出す。
今日の別れ際の時の”ばいばい”が可愛すぎて鼻血出そうになったし。
「あーいつか飛鳥さんと付き合えたらいいなぁ」
その言葉が部屋に響く。
親にご飯の呼び出しされたから適当に”今行く”そう返事してベッドに携帯を放り投げて急いでリビングへと急ぐ。
【今日は楽しかったよ。また明日ね】
飛鳥さんからメッセージがきたとも知らずに私は呑気に今日の出来事で可愛かった飛鳥さんの事を頭の中で考えながらご飯を食べていた。