重め&暗いお話

□あいへいちゅー
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飛鳥さんに心配してほしくて食べては吐いてを繰り返す。その度に心配した様子で駆け寄ってくれる飛鳥さん。
気を引くにはこうやってやらないと来てくれないから私は何回でも”これ”を繰り返す。
いつか告白してくるのを信じてこの行為を繰り返して繰り返す。

前は、食べて指を口に突っ込んで無理やり吐いていたけど最近は何もしなくても吐くようになり少し気分も悪い。食べ物を見ると吐きそうになるけどもし病院に行って原因がわかって治療するってなっても飛鳥さんは心配してくれるけど治ったらもうこんな風に私の元に駆け寄ってきて優しい声で”大丈夫?”と言ってくれなくなるのかと考えると行くのを躊躇う。

飛鳥さんに離れて欲しくない。
飛鳥さんに心配して欲しい。

この二つの気持ちが強くてもうこのまま治らなくてもいいや…そう思ってしまう。多分私は飛鳥さんに依存してる。だからこうやって少しでも私のそばに居て欲しくてこうして繋ぎ止めている。

愛されたい。愛されたい。愛されたい…そして満たされたい。
それと同時にこんな形でしかできない私を怒って欲しいし拒絶して欲しい。

「ぇ、ねぇ大丈夫?」

「…飛鳥さん。大丈夫ですよ」

「無理したら怒るからね」

わかってますよ。そう言おうとした時ふらっと倒れそうになりそれを飛鳥さんが受け止めてくれた。

「軽すぎ。ちゃんとご飯食べてる?」

「…食べてます」

少し目を逸らして言うと食べてないじゃんと言われてしまい飛鳥さんが持っていたお菓子を押し付けられた。見ただけで少し気持ち悪くなったけど無理やり口の中に押し込む。
しばらくしてうっときて思わず楽屋から急いで出てトイレへと駆け込む。

中々吐けずにいると飛鳥さんがちょっとごめん。そう言って口の中に指を突っ込んできて思わずうっと吐いてしまった。
バシャバシャと水の音がしたからきっと手を洗ったんだろうな。などと思いながらうぅと唸っていると飛鳥さんが背中をさすりながら大丈夫大丈夫と言ってくれて少し吐き気がおさまる。

「…もう大丈夫です。ありがとうございます」

「ん。それならよかった」

「これからも頼ったりしてもいいですか?」

「いいよ。これからも美月の面倒見てあげるけど依存させちゃうかも。」

「ふふっ。依存させてみてください」

「すぐに堕ちないでよ?」

そう悪い顔をしてニヤッと笑う飛鳥さん。
こういう顔もするんだと思いつつドボンと一瞬で堕ちてしまった自分。


多分永遠に私は”飛鳥さんに依存すると思う。


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