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□目、逸らすなよ
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「ッあ、とべさ…っんん…」
俺の下で身悶える桃城。
その不自由な身体で、腕を自分の顔の前まで持っていき、快感と苦しみに歪む顔を覆った。
…しかし俺は、それが気に食わなかった。
「………おい、」
「っはあ……んあぁ…?」
行為に夢中で、生返事な桃城の腕を掴む。
「コレ。…退けろよ」
そう言うと、掴んだ腕をぐいっと頭の上まで押し上げた。
「ん、ちょ…やっ、ぁっ…」
首をいやいやと左右に振るが、腕に力が入らないらしく、軽く抵抗する事しか出来ない。
そんな桃城の頬を、もう片方の空いてる手で捕まえると、色付く唇に口付けた。
「っんんぅ…ぁ、んふぁ…ッ」
「………」
そうして桃城の、綺麗な紫色がかった涙の浮かぶ瞳を、無言で見つめる。
「……あんまっ、じっと…みないで、くださいよぉっ…」
あまりの恥ずかしさに、見ないで、と懇願する桃城だが、跡部には意味をなさないようだった。
「…うるせぇ。終わるまで、目、逸らすなよ」
「ぅえ……?」
(俺から、目を逸らすな。)
(せめて今だけは…逸らさないでくれ)
桃が自分から離れていくんじゃないかと憂える俺様の話。