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□マイヒーロー!!
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俺にはヒーローがいます。


それは一つ年上の、

宍戸先輩。



テニスに打ち込む先輩は、凄く格好いいし、

なにより、

生き方とか考え方とか…全てにおいて
尊敬出来る人だと思う。



……そんな人が、俺の恋人な訳で。


部活のない今日は宍戸さんの家で、
二人まーったりとしているんです。




(ああ、幸せだなー…)


何やら真剣な顔で雑誌を読む宍戸さんを見ながらそんな事を考えていると、
フと視線を上げた宍戸さんと目が合ってしまった。



「あー…長太郎。…顔、ニヤけてるぞ…?」

「えっ。あ、すみません…つい…」



ごめんなさい。

今の俺は、だらしなく顔を弛ませてしまう程、幸せなんですよ。



「ついって…」

「ふふ。なんか、幸せだなぁって思って」

「……そーかよ。」



そう言って、また手に持つ雑誌へと
視線は戻されてしまった。

伏せられた瞳に、ドキリと胸が跳ねる。



「宍戸さん…」

「んー?」


すっと宍戸さんの前に行き、雑誌を奪った。
そして、驚いて上げられた顔を掴み、少しばかり強引に口付けた。



「ん、んん…ちょ、ったろ…」

「ししど、さん…」

「ぷは、…」

「…もっと、触っても…いいですか……?」


キスの合間に漏れる悩ましい声が、

スベテが色っぽくて。

つい、もっと深くを触れたくなる。



「…ちょっとだけな、ら」

「……はい!」





ベッドに宍戸さんを軽く押し倒す。

照れているのか、頬がほんのり赤い。


そうしてもう一度唇を重ねようとした時、

俺はあるモノを視界の端に


入 れ て し ま っ た。




「……っ!!!!!」



焦茶色のソレは、
壁をカサカサとつたっている。

…間違いなく、アイツだ。



「…長太郎?」

「し、宍戸さん…、どうしましょぅ……」

「??」

「ご、ご、ごごご」

「五?」




「ゴキ〇リが壁にっ…!!」

「……はぁっ?」



折角のムードがどーのなんて、
言ってられない。

俺は宍戸さんの後ろにさっと隠れる。



「っだ、だってアイツ飛ぶんすよ?!」

「お前は……まったく坊ちゃん育ちめ。」

「家は関係ないっすよ!ただ俺が苦手なだけ…っわ、こっちくる!」



や、やだ…!

俺すごい格好悪いけど、怖いもんは怖い…。



「チッ。こんなん、叩いて潰しゃ一発だろーが」

「っえ…!」



俺がビクビク、そして微かに聞こえた言葉に驚いてる間に宍戸さんはさっきまで読んでいた雑誌を丸め、バシバシとGを叩いた。




「…ふぅ。こんなもんか。」


適当にGの始末をし、パンパンと手をはたく宍戸さん。



…すごい、すごいな宍戸さんは。




うん。

宍戸さんは、やっぱり…






「俺のヒーローです!」

「…はぁ?」



マイヒーロー!!
(そんな貴方が、大好きで)





















珍しく王道CP。でも今後は書かないと思います。なんか恥ずかしくて!←

でも宍鳳なら書く可能性がある…かも、なんてね(笑)






































































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