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□コロンブスの卵
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私のお弁当に入ってたゆで卵。
殻つきってずいぶん手抜きだなあと今朝のお母さんの慌てようを思い出してた。
きっと、寝坊したんだな。
それでも、ちゃんとお弁当を作ってくれるのはありがたい。
再びお母さんに感謝して、卵を机に叩きつけようとして私は止めた。
目の前でお弁当をかっこむ田島を見てて『コロンブスの卵』の話を思い出したからだ。
あの有名なコロンブスの卵の話、実は元ネタがある捏造した話らしい。
コロンブスの偉大さを伝える為に、話を書いてた人が後から付け足した話なんだって。
だから、卵の底を潰して卵を立たせたのはコロンブスじゃない。
まあ、今となってはどっちでもいいけどこの天才かつバカっぽい発想はなんだか私の彼氏、田島を連想させる。
だから、私はあえて殻つきゆで卵を田島に渡して言ってみたのだ。
田島がコロンブスの話を知ってるとも思えないからちょっとした実験気分で。
きっと、田島は私の期待を裏切らない。
「田島、このゆで卵机の上に立てれる?」
私からゆで卵を受け取った田島は暫く、不思議そうな顔で私を見てたけど、私が早くと急かすとすぐにゆで卵を机に立たそうとしだした。
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