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□初めての秘密
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昼休みになると現れる。

俺の分と自分の弁当を持った俺の彼女。

付き合い始めてすぐの頃、俺が部活の練習で自分の弁当だけじゃ全然足りないから昼はいつも購買でパンを買っていると言った翌日から彼女は俺の分も弁当を作ってくれるようになった。

彼女のクラスは一番遠い1組だから休み時間の度には会えないし、俺も彼女も互いに部活があるから放課後だってろくに一緒にはいれない。

だから、俺は昼休みのこの時間を心待ちにしていた。

いつものように野球部のみんなと浜田と俺たちは弁当を囲んだ。

本当は彼女と2人きりで食べたいけど、なんだか気恥ずかしくて俺はまだ、それを言えずにいた。

彼女の手作り弁当に無遠慮な田島の手が伸びてきて、毎回、田島のつまみ食いを阻止する。

そんな平和な昼休み教室の後ろのドアから誰かが彼女の名前を呼んだ。

振り返ると花井より身長のあるヤツが彼女を手招きしてる。

彼女がそいつに駆け寄って行って楽しそうに話してるのを俺はただ、じっと見つめてた。

「泉、あれ誰だ?」

「部活のヤツだろ」

「花井よりでけえ。先輩か?」

「1年」

俺は田島からの質問にそれ以上はなにも答えずただ、彼女の帰りを待った。

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