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□わたしの王子様
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部活帰り、私は道の片隅でピンチに見舞われている真っ最中です。
なにがピンチって、見るからにガラも頭も悪そうな男2人組にナンパされてるからです。
怖くて怖くて泣いちゃいたいけど、運の悪いことに下校時間をとうに過ぎたこの場所じゃ誰にも私の声なんて届かない。
泣いたりしたらそれこそこの2人の思う壺だ。
私はグッと涙を堪えて精一杯、男2人組を睨みつけた。
「なんだ?見かけによらず気強いね」
「俺、気強い子って好きなんだよね。泣いたときのギャップとかさ」
ヘラヘラの嫌な笑いを浮かべた男2人がじわりじわりと私に近づく。
私は相手を睨んだまま後退りするんだけど背中にコツンと固い衝撃。
恐る恐る振り返ると後ろには電信柱があって、これ以上の後退を妨げていた。
もう、絶体絶命!
「おいっ!なにやってんだよ」
目をギュッと瞑って覚悟したとき私の耳に聞き慣れた声が響いた。
この声は同じクラスの!
目の前には私の予想通り、やっぱり水谷の姿。
私は思いっきり打ちのめされた。
神様!
どうせ同じクラスの野球部なら阿部くんとか花井くんがいるではありませんか!
水谷じゃあ戦闘能力低すぎます!
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