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□初めての秘密
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「孝介こそ!なんであんなに篠岡さんとは仲がいいのよ!」
俺は特別、篠岡と仲よくしていたつもりはない。
ただ、野球部のマネジは篠岡1人だから用件は全て篠岡に言ってただけなのに。
複数のマネジがいる男子バスケ部では、それは考えられないことだったらしい。
彼女はずっと俺が他のヤツに妬いてたように篠岡にヤキモチを焼いてたんだ。
それが、妙におかしくて俺は気づいたら笑ってた。
なんだかとても安心出来て、もう、俺たちは大丈夫で見えない太い絆でしっかりと結ばれてる。
そんな気がした。
お互いに同じようなことで不安になって嫉妬して、俺たちってきっと端から見たらバカップルに違いない。
俺がそう言うと彼女も笑い出し、そうだねと言った。
こうして終わった、俺たち2人の初めてのケンカ。
ケンカもたまには役にたつらしい。
そんなことを思いながらケンカの内容は間違っても誰にも言えないと俺は密かに思った。
何故なら、ケンカの発端はどっちがより相手を好きかっていう本当にバカップルな内容だから。
こんなのを野球部の連中に知られたら、笑われるに決まってる。
俺たちの初めてしたケンカは俺たちだけの初めての秘密をもたらした。
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