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□わたしの王子様
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私が涙ながらに星空を見上げて、嘆いているとドカッと人を殴りつける音がして慌てて水谷の姿を探した。
地面のどっかに転がってる水谷、こんなことに巻き込んじゃってごめんね。
私が素直にこの2人と一緒に行ってたら水谷は死ぬことなかったのにね。
たくさん、水谷に謝罪の言葉を並べながら私は薄暗い地面に視線を走らせる。
でも、どこにも水谷はいなくて代わりにあのガラの悪い男が1人転がっていた。
えっ!?
びっくりして視線を上げると水谷が右手の拳をさすりながらもう1人の男に啖呵を切ってるところだった。
「お前もコイツと同じ目に遭いたくなかったら早く俺の目の前から消えてくんない?」
オレンジの街灯に照らされた水谷の顔は私が今まで見たこともない顔をしてた。
冷たくて怖くて無機質で、冷酷非情な男の顔。
でも、私にはカッコ良くて白馬に乗った王子様そのもの。
私が水谷に見とれてポーッとしてる間にあのチンピラ2人は逃げるように消えていた。
そして、残されたのは私といつもの水谷の2人だけ。
王子様じゃない水谷がふにゃりと優しい笑顔で言った。
「もう、大丈夫だからね」
「ありがとう」
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