仮面の守護者

□第1章
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ぴぴぴぴっ ぴぴぴぴっ
安物の目覚まし時計の電子音が部屋に響く。

「ったくうるせーな。今何・・・・・じ?」
今現在8時30分。

「・・・・・・・・げ」
ホームルームが始まるのが9時から。
家から学校までは、どんなに頑張っても30分。
・・・つまり。

「遅刻だ!!」
慌てて飛び起き、階下に向かう。
階下では、母が掃除機をかけていた。

「なんで母さん起こしてくれなかったんだよ!!」
慌てて身支度をしながら母に言う。

「あら、私は起こしたわよ?それも何回も。あなたが起きなかったんじゃない。」
あっさりのたまう母。
でも確かに起こされた記憶はあるような、ないような。

おっとと。考え込んでいる時間は無い。

俺は急いで身支度を調え、玄関に向かう。

「行ってきます!!」
慌てて自転車に飛び乗る。

『行ってらっしゃーい』
家の中から、のんびりとした母の声が聞こえる。

急げっ急げっ。

俺の名前は 鳴海 和彦(なるみ かずひこ)。
私立 秋城高校に通う高校2年生だ。
父と母、そして妹の春香と四人で暮らしている

俺の通う私立秋城高校は、『生徒は緑の中でのびのびと学習できます』を謳い文句にしている。

その謳い文句の通り、山の中腹に学校は建っているが、近所にコンビニすらなく、ましてやゲームセンター等、昨今の高校生の遊び場さえあるはずがない。 

とんでもなくへんぴな場所に建っている。
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