太閤立志の人々
□太閤立志伝5〜九鬼嘉隆編〜
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■序章〜ストーカー殺法■
僕の名前はラファエル・カストール。ポルトガル商人なんだけどいまはちょっとジャパンの堺って街で『南蛮商館』にいるんだ。
遠く極東の島国は戦国時代だそうだ。
こんなときは稼ぎとき!
「ハーイらっしゃいマセ〜?」
なーんて、日本語ペラペラな僕でもちょっと怪しい外国人を演じなくてはならない。
ま。護衛にユキヒサがいるから安全なんだけどっ!
あ、お客がきたみたい。
「ここが、……」
おおムサイさむらいさまだ、
お客さんお名前なんてですか?
「俺は侍ではない九鬼嘉隆、19才だ」
じゅ。19才!!!!
僕1こんに老け込んだ19才はじめてみたよ!
っていうか、ほんとうに19才?
様々な驚きを押し隠し基本的な質問をしてみた。
オサムライさんデハナーイ、ではあなたはなにもの? ヨシタカさ〜ん?
「俺は熊野海賊…………」
おお、では…ナ・ニモノ〜? (まさか、この間ぶっ潰したクルシマ一家か?)
「か、水夫(かこ)だ」
………け、水夫かよ。
「に、日本語?」
オー〜聞き間違いデスヨ! ワガ国と似た言葉あるよーね?
「そうか。いやなに…おれの話を聞いてほしくてはいったんだが…」
お話? お話ですか〜、いいでございます。
僕なんだか、日本人にすかれるみたいだ、聞くのは只だから了解っす!
水夫…ヨシタカさんは見た目とちがって紅茶を優雅にすすりながらかたりだした。
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おれの名前は九鬼嘉隆。
いずれは熊野海賊水軍を俺のものにし、日本の海賊をまとめあげるのが夢だ。
目の前の南蛮人…らふぃといったかは笑みを深くした。漏れ聞くところこの南蛮人は世界の七つの海を掌握した凄いやつらしい。
きっとおれの夢はみみっちいものなのかもしれないが、今から語るのは俺の失敗話しだ。