太閤立志の人々

□太閤立志伝〜藤原湛増編〜
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■戦国のヒノエ?■


 俺の名前は藤原湛増。
 熊野水軍・鳥羽の砦に居をおいている。
 ちなみに先祖から名前をいただいた。






 しかし、この容姿は少々危険なのだ、いろいろな意味で。

 美少年といえば聞こえはいいが、この容姿のおかげで女によく間違われる。

 そして好きな女子……藤原愛花どのにも『え! 女の子じゃなかったの?!』と驚かれる始末。


 うーむ……。どうしたものか、すきな女子のおれの第一印象が『美少女』で、それを男……いずれは恋人そして『だんな様v』への昇格はかなり困難だ。

 いつも出会ったらすきだ、結婚してくれと口説いている。

 でもやはり相手はにがわらって取りついではくれない。

 愛花どのには一目惚れだった。
 まるで運命がさまだっているように……
 愛花殿しか心に添う女子はいない。

 だから、気を引こうと主命ついでに彼女の後をついていったり、お転婆な彼女は手合わせが好みで…手合わせをしたり、風邪を引こうものなら京までひとっとびして薬を購入した。

 すきな女子のために、愛花どののために。


 好きだから、好きだから……ずっとそばにいてほしいから。

 それから…チャンス到来!

 親密度も3つあげていざ告白!!(なにかのゲームだな)

 けれど、お転婆な彼女。

「私もあなたのことが好き……だけれど、それだけじゃダメ、私より強いことを証明して下さいませ!」


 ……望むところ。

 しかし、すきな女子に傷つけたくなかった。

 けれどこちらも人生がかかっている!

 一撃一撃に愛情といたわりと真摯さを込めて打ち込む。
 戦って真剣な彼女も美しくそして改めて思い知らされた……強かな女だと。

 可愛く女らしいだけではない…だから惹かれたんだ!!

 勝負があった。

「愛花どの……」
 互い真剣勝負で息があがり、汗で前髪がはりつく。
 俺はしゃがみ激しく咳き込む彼女をぎゅっと抱き締め、囁いた。

「俺の嫁にきてくれるか?」
「ふふ…やはりお強い方…。いま私の心が締めるのは悔しさではなく…嬉しさなのです……」
 愛花どのは花が綻ぶような笑みを浮かべるとぎゅっと俺の首に手をまわして抱き着いた。


「はい……一生あなたに……ついていきます」


 12月24日…俺達は結婚した。

 南蛮人の親友ラフィによれば聖なる日に結婚を俺達はしたらしい。

 白い雪がふるのを見上げながら、寄り添う愛花を抱き締める。

「何があっても幸せにするから……」
「ええ、お前さま……私もあなたさまと一緒になれてとてもうれしゅうございます…」

 この腕の中にある温もりをおれは絶対にはなさない。
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