金色の旋律
□デートしませんか?
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「この服似合うと思うんですけど……」
「ありがとう冬海ちゃん――じゃあこれ…」
「よかった〜本当のデートで」
「だからいったじゃないか、そうだって――って最近なんの本を読んでたんだ、火原?」
「あ〜いや〜。なんか最近女の子同士の恋愛もんがはやってるんだっていってたやつがいてさ〜スールとかなんとか、ちょっとあの二人がそーゆうふうにみえて」
「火原あの二人の前でそんなこといったらそく絶交されるよ?」
「え〜! うん、わかってるいわないって!」
最初のえ〜! っていうのはどうしてっていう意味合いに聴こえなくも無かった。
ま、日野もたまには俺に開放されて羽を伸ばしたいか?
「な、柚木腹減らない、ハンバーガーたべよ!」
「いいね、久しぶりに」
「柚木こう言うの嫌いだって最初の頃おもったけど、けっこうたべるんだってしって驚いた」
「いまどき食べた事もないひとなんていないよ、学食だってうってるんだから」
「月森君食べた事ないって」
「ああ、彼ならありえるかも。でも僕はときにはこう言うのを食べたくなる。火原が買ってきてくれるのをありがたくおもってるよ」
「そっか! よかった」
「ああ」
――そう答えている自分は、本心だ。
なぜだろう、火原といると闇の部分でもナイ本当の素で話せる。
多分に猫被っているけれど、べつに苦じゃないし、演技でもない。
――たしかにムッと腹に来る言動もあるけれどどうでもよくなる。
「火原っていいヤツだよな」
「なんだよ柚木てれるじゃん」
「あれ、火原先輩に柚木先輩!」
日野が声をかけた。
その声におもわず柚木も火原も食べているものを吐き出しそうになってせき込む。
火原の背を冬海が、柚木の背を日野がさする。
「大丈夫ですか? ごめんなさい二人がファーストフードのみせにいるとはおもわなくて、……特に柚木先輩」
「べつに全く来ないって分けじゃないよ。たまにかこう言うのもわるくないんじゃない?」
日野がぼそっと耳打ちしてくる。
「…………味がわるいし身体に害があるっていって食べないのかと思いましたけど」
「…………付きあいでたべているんだ」
日野は苦笑いを浮かべて隣の席についた。
「私たちもデートなんですよ。――先輩達もデートなんですか?」
その言葉に柚木と火原は顔を見合わせて、わらった。