太閤立志の人々

□太閤立志伝藤原遥編
2ページ/2ページ



拙者は姫に一目ぼれをしてしまった…。
用もないのに城をうろついたり、事情を知っているものをみつくろってはさりげなーく、姫のことをきいてみたり。

 姫は実は伊達政宗どのに討ち滅ぼされた某大名の姫さまだった。
 拙者は再び姫とであう事が出来た。
 姫は俺がどうやって生きてきたかをたずねてきた。
 浪人は自由と言えどもお金がない、なのでいろいろな仕事をうけあってきたことやその仕事での面白い出来事悲しい出来事をあまり憂鬱にならないように細心の注意をはらいながら語る。
 姫は拙者の話をたのしんでくれたようだが、さびしげな様子だった。
「自由がうらやましい。私はずっと城の中にとらわれているのですから、あ、いえ…みなが意地悪するとかではないのです。優しい人たちなのですけど、私は……」
「姫…」
「なんでもありません、ごめんなさい遥さま」
 瞳に光る涙を袖でぬぐってかけていってしまった。
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ