短編いろいろU

□恋、走る。
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今日は天気もいいしちょっと菊の家まで出かけてくるか…ちょっと散歩がてらにな。何があるわけでもないけどちょっとな、ちょっと。…そうだ、庭のバラが綺麗に咲いてたはずだ、あれを持って…ほんとにちょっと行くだけだ。何もないけどな。




「…菊ー?」




家の戸を開けると少々賑やかだった。声からしていつものあの二人だろう。…あー、やっぱりアイツらも知ってたよな…。…知らないわけないか、なんだかんだ言って俺よりは付き合い長いわけだしな。
俺の小さな声は部屋の中から聞こえる声に消された。…アホらし、帰るか。



「あれ、アーサーさん?」


「…菊…!」


「こんなところで…どうかされましたか?」


「え、あ…き、今日はえらく賑やかだな!お前の誕生日か何かか?めでたいな!ちょうどバラがあるからこれやるよ。じ、じゃあな…!」




俺のばかぁっ…!もっとまともな渡し方出来ねぇのかよ…顔が熱い、慣れないことなんてするもんじゃないな、ちくしょう。菊が俺の名を呼んでいるけどこんな顔見せられねぇよ…。けれどもシカトするわけにもいかず背を向けたまま返事をすると菊の「ありがとうございます」という優しい声が聞こえた。肩越しにそっと見ると花に見惚れる菊がいた。





  恋、走る。

(そんな君に見惚れた、だなんて)(なんてベタな)









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我らがにっぽんこと菊様のお誕生日でござい^^
突発的に書かせてもらいました。おめでとうございます\(^O^)/

題;にやり


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