短編いろいろ

□CP
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綺麗な長い髪を無造作に垂らしてソファーで呑気に寝ているスクアーロを見ていたら心の中にだんだん黒いものが沸き上がってきた。大好きだったその銀色がボスのためだと分かった時から大嫌いになった。

(スクアーロが悪いんだ、スクアーロが)

机からハサミを取り出すと静かにそっと、標的を仕留める時のように近づいて行った。手にとった髪は半分ほどさらさらと零れてしまったがそこに残った束にハサミの刃をあてた。


「う゛お゛ぉい、何しやがる」


いつから起きていたのかハサミを握った手は捕まえられていて部屋にハサミと床のぶつかり合った音が虚しく響いた。



「ベル…お前そのハサミで今何しようとしたぁ」
「髪の毛が鬱陶しそうだったから切ってやろうと思って」
「おま…オレがなんで鬱陶しくなるまで髪伸ばしてんのか知ってんだろぉ」



知ってる、知ってるから切ってやろうと思った。互いに視線を外さずに暫く時が止まっていたかのようだった。このまま世界に二人きりになれたらどんなにいいだろうだなんて考えていると現実へと引きずり戻された。



「カス、いるか」



ノックもなしに開いた扉からボスが入ってきた。ノックぐらいしろぉとスクアーロは文句を言ってみたりしているけれどその顔はどこか嬉しそうでムカついた。



「つかいつまで王子の手握ってんの、離せよ」
「う゛お゛…っ!」



わき腹の辺りに蹴りを入れて手が離れた隙に、ボスが開けっ放しにしていた扉からさっさと出ていった。部屋からはスクアーロが叫ぶ声が聞こえてきたかと思うときっとボスが何か投げつけたであろう物の壊れる音が聞こえてきた。
いっそのことオレのこのどうしようも出来ない気持ちもそんな風に壊してくれたらいいのに。

服についていた明らかにオレの髪とは違う、長い銀色をした髪を指で摘んでそっと手の上に乗せると開けっ放しのドアから吹いた風に乗ってそいつはキラキラ光ってどこかへいってしまった。







どうぞ私を壊して下さい。







題;DOGOD69


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