短編
□White Christmas〜ホワイトクリスマス〜
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「チクショォ!!なんでこんな時間掛かったんでィ!!」
結局護衛はお偉いさんの我が儘で夜まで続いてしまった。
今時間は夜の8時。
空からは雪が降り積もり、風はすごく冷たい。
俺はパトカーで全速力で走り、神楽と別れた公園に向かう。
あいつの事だ。絶対にあれから待ってるはずだ。
何故か、そう思った。
ようやく公園の入口に付き、走って捜す。
「ハ・・・いた・・・」
神楽はブランコに座り俯きながら縮こまっていた。
「っ神楽!!」
俺は急いで駆け寄って、自分のマフラーと上着を被せる。
体がすごく冷たい。
「ん・・・そ・・・ご?」
神楽は焦点の合わない目で必死に俺を捕らえようとしていた。
「すまねぇ神楽。遅れちまって。ホント、すまねぇ」
俺はしゃがみ込んで神楽を抱きしめる。
少しでも俺の体温がこいつに伝わるように。
「ホントヨ。約束通り、酢昆布・・・よろしくな」
「あぁ・・・」
雪が俺の耳や手に当たって冷たい。でも俺は、ずっと神楽を抱きしめていた。
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