短編
□White Christmas〜ホワイトクリスマス〜
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俺が制服で来たのを見て、あいつはものっそく嫌な顔をした。
そりゃそうだ。だって今日はデートの約束だったはずだから。
「神楽、すいやせん、急に仕事が入っちゃいやして・・・」
バコッ
その瞬間、頭に鈍い痛みを感じた。
俺は自分が悪いのだからと黙って何も言い返さなかった。
「私、待ってるアルヨ」
「は?」
「だって、護衛って言っても夕方には終わるんだろ?なら、待ってるアルヨ」
俺はそんな神楽をとても可愛く思えて、つい抱きしめてしまう。
「絶対、夕方までに戻るから」
「うん、約束破ったら酢昆布な」
「ヘイヘイ」
そして、俺は取りあえず神楽と別れる。
空は黒い雲が広がっていた。
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