FFX-2 Novels
□ring
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太陽の光が部屋に差し込んでいる。
忙しい時期を抜けてホントにやることが見つからない。スフィアハントは休業中だし、お助け屋は連絡が入らない。
それはそれでスピラの平和を意味してるからいいのかもしれないけど…
(散歩でもしよう…)
そう思って玄関にある靴を履き、ルカの街に出る。相変わらず眩しすぎる太陽。空は雲一つ無い晴天だった。
街は賑やかで、商店街は人が溢れかえっている。
そんな中、一際目立つ太陽のような金髪。
今日は練習と言っていたのに、彼が街にいるのを不思議に思うが、そんなことはどうでもよかった。
「ティー…」
声を掛けようと思ったが、一瞬にして私は凍り付くように固まってしまった。
(なんで…?)
―彼が知らない女の人と歩いている。
練習に行っているはずの彼が、こんなところで知らない女性と歩いている。
しばらく見てると、指輪などのアクセサリーが売っている店に入っていった。
私は頭が真っ白になって、とにかくこの場から離れたくて走った。
どれくらい走っただろう。
気付いたら、ルカからミヘン街道に繋がる階段のところまで来ていた。
(なんで?どうして?)
考えても考えても悪い方向に考えてしまう。私はちっちゃい広場のようなところに座り込み、一人俯いて泣いていた。