FFX-2 Novels
□キミがいるだけで…
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朝起きたら、隣で寝てるはずの彼がいない。
最初は、散歩でもしに行ったのかな、って思って気にはしてなかった。
けど、朝食を食べる時間になっても彼は帰ってこなかった。
よく考えれば、彼は私に行き先を言わずに出かけることはない。
私の心臓はそれに耐えれるはずはなく、急いで彼を探しに行った。
―――――
海岸に向かう。彼の事だから、ブリッツの自主練でもしてるのだろう。
私が行ったらきっと彼は笑顔で迎えてくれる。
早く会いたい。会って安心したい。
胸の鼓動は、今の私とは裏腹に疲れることを知らない。
心が先に走っても、足が着いていかない。
早く、早く早く…!
海岸が見えてきた。しかしそこには人影がない。
「いない…」
疲れた体が更に重たくなる。
―ピィーーーーーーーーーーッ!
指笛も虚しく鳴るだけで、帰っては来なかった。