偽り。(Novel)
□第2話
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翌朝、ジンはレイファンの部屋のドアをノックした。
「はい」
例ファンがドアを開けるとジンは言った。
「レッ…《じゃない》王が今すぐ城に来いと…」
「分かりました。…あ、途中で魔法解いてから行きたいので何処か寄ってもらえます?」
「はい。途中に古い小屋がありますから其処で」
「有難う御座います。ですが、普通に話してください、怪しまれます」
「はい…ああ、すまない」
レイファンが大きめのフード付きのローブを持つと部屋を出た。
小屋でレイファンが魔法を解くとジンは改めて見惚れてしまった。
「?何ですか?」
「…いや、何でもない」
「では行きましょう?ご迷惑お掛けしました」
ミスランファレムはフードを被り、ジンに続いて部屋を出た。ジンはミスランファレムをエスコートするかの様に隣を歩き、ミスランファレムを気遣った。
暫く歩くとかなり髪を巻いて化粧と香水をふんだんに使ったジンと歳が近そうな女性が歩いてきて、ジンを見つけると走ってきた。
「なっ…マリア?!」
「ジン〜♪まさか会いに行く途中でお逢い出来るなんて…!!マリア、今とても幸せですわっ!」
「…うわ、香水臭いっ」
小声でミスランファレムは言った。だが、マリアには聞こえたようだ。
「何ですって?!この香りが分からないって言うの?!ローズよローズ!!」
「…」
ミスランファレムは面倒だったので無視した。
「ちょっと!そこの顔を隠したお前!!」
その言葉にジンが驚く。