偽り。(Novel)
□第3話
1ページ/3ページ
女医サーシャは毎日来て、ミスランファレムと話し、治療を行った。ミスランファレムは大分元気を取り戻そうとしていた。
「…ミラは、ミラ自身の母親のこと如何思ってる?」
サーシャは突然そう言った。
「如何って言われると困るけど…少しは恨んでるのかもな。此処に残されたことに関して」
「そう…。ミラ、男言葉になってるわよ」
「え?あ、本当に?」
「ええ。」
「………もう直せないってことで」
苦笑いしながらミスランファレムが言う。
「そうね」
サーシャも笑った。
治療は順調に進み、ミスランファレムは体重以外元の姿に戻った。あれ以来手首の印はない。
「もう、後はちゃんと食事を摂るだけね」
「…食事、か。食欲無いから難しいかも」
「それでもちゃんと摂らなきゃ。多分わたしはもう来ないわよ?」
「え?」
「でも…わたしは魔法を使えるから会話は出来るから何時でもして来て?」
「うん」
「じゃあ…また。」
「ありがとう」