氷か太陽か(Novel)
□第4話
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「カイ補佐官っ!お客様が…」
「あ?…分かった。有難う、サジ」
あの頃から約2年。
カイはバージスの補佐官という役についていた。任務内容は以前と変わらない。
バージスもあの駄目隊長キャラで隊長の役を続け、ファズはカイと一緒に副隊長としてバージスの補佐をしている。
以前とさほど変わっていないが、変わったところといえば…
「カイっ♪」
「シャラ!来るなって何度も言ったろ?」
「だって…。……あ、お弁当持って来たよ!!」
シャラは今、以前カイが言っていたシックなカフェで働いている。そして…
「今日は良いって言ったろ?忙しいから」
「だって…妻らしいことしたいじゃん?」
そう、2人は夫婦となっていた。
「…全く――「おおシャラちゃん!」
「あ、トムさん!」
トムが走ってきた。
「久しぶりだなー」
「何言ってるんですか?昨日も会いましたよ」
「ああ、そうだっけ?」
カイはトムを睨んだ。
「おおっ!怖ぇ!旦那さんがご立腹だぜ?!」
「…トムさんに怒ってるんですけど」
「相変わらず丁寧語だなぁ!上司なんだから普通に話せよ」
カイは溜息をついた。
「そう思ってるならトムさんは丁寧語にしてください」
「あ、じゃあ今のままで!」
カイとシャラは同時に溜息をつく。
「トムさん、隊長に似てきましたね」
「っぇ…それは困る…」
3人は顔を見合わせて笑った。