おはなし 6

□抜け出せないでいる
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沈み込まず、硬すぎないソファーに座っている
二人で座り静かに本を読む

何をする訳でもなく、当たり前の様に跡部の家に居る
俺が跡部の家に来るのは当然の事として捉えられている

俺、何してんだろ…
眼鏡を掛けた跡部の横顔を手元の本から目を離し見た

跡部は黙々と読み進み
俺には全く内容が理解出来ないような難解な本の頁を軽快に捲っていく

俺って何なんだろ…
閉じて本、指で押さえておいた頁を開ける

何なんだろ…
俺って…今、此処に居る意味ってあるのかなぁ

本をローテーブルに置いた
ソファーを静かに立ち上がり
ゆっくりと部屋を去ろうとした

けれども、勢い良く腕を掴まれてしまった

「何処へ行く」

跡部は本から目を離さずに言った

「・・・」

「何処へ行く」

「…トイレ」

跡部の手が放した
俺は言った通りに部屋から続くトイレへと行った

離れようとすると掴まえる跡部


俺…何やってるんだろ……




2008/12/30

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