04/29の日記

17:19

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冬なのだから仕方の無い話なのだが
連日、寒い日々が続いていた
それでも、風が吹いていない日の午後は暖かい
太陽の陽射しに教室の温度も上がり
その陽射しを遮る為にカーテンが閉められていた
少し開いた窓からは外の空気が入ってきていた

授業終了のチャイムが鳴り
挨拶をして先生が教室から出て行くと同時に話し声が教室に溢れた
眠さに噛み殺していた欠伸が出る
穏やかな何時もの午後

隣の教室から、跡部が来た
入り口の扉に手を付いて、中を見回した
そして目的の人物を探した
陽射しが白いカーテンを色付かせた
その向こうに見つけた
頬が緩み、歩き出す

カーテンの端がふわり、と舞い上がり
それと同時に覚えのある腕に抱かれた
「あっ」
振り返ると、キスをされた
「……」
目を見開く近くで見る青い眸
ちゅっと、小さな音を立てて離れていく唇
その口の端が上がった
「景吾っ」
咎める声を出す
此処は学校で、今二人が居るカーテンの向こう側には、沢山の生徒が居る
こんな場所で…
少し脹れて跡部を見た
「したかったから、した」
優しく見つめられた
そして、ぎゅっと力を入れて
包む様に抱かれた

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