リク小説

□赤い月が昇る
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「身の程を知れ!」


今日も裏モカはまた一人妖怪を懲らしめた。


「さすがモカね」
「そうだな」


胡夢とみぞれもいつもながらモカの強さに関心している。そして更に打倒モカの思いを募らせるのであった。



何も関心しているのは胡夢達だけではない。


(やっぱりすごいよ…モカさん///)


凛とクールに華麗に直立して決め言葉を言うモカを見つめる月音。


風になびく銀色の髪。そして紅く妖しく光る瞳。
その姿はまさしく高貴なバンパイアそのものだった。


「モカさん…///」
「何だ?月音」


月音がモカに見とれているうちに声に出してしまっていたらしい。


「いっいやっ!!何でもないです」
「…?変なヤツだな…ほら、早くロザリオ返せ」


そう言うと月音が握りしめていたロザリオを取り、自分の首にはめ込んでしまった。


「あ…」


月音が気付いた時にはモカは萌香に戻っていた。萌香に戻り脱力して倒れそうになったときに月音がギリギリ萌香の体を支えた。


「モカさん…何ですぐ萌香さんに戻っちゃうんだよ…」


月音は萌香ではなく、モカに話しかけていた。
聞こえているかはわからないが―…


月音はいつも思っていた。
萌香はとても優しくていい子だとは思うけど…この萌香はモカの封印されている姿であって、萌香ではあってもモカ自身ではないのだ。


ようするに…萌香はモカの仮の姿である。バンパイアのモカが本来の姿であるのだから。



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