愛用しているレガシーB4(2.0GTの4AT)の紹介である。我々のような中年、しかしブッ飛びはやめられない者にとってはある種理想的なスポーツセダンである。つまり普段は2000rpmも回さずユルユル流している一方、月に数度はワインディング、それも高速域のワインディングを攻めまくるにはピッタリの車である。庶民が買えるスポーツセダンでB4と同等もしくはそれ以上だと思われるのはレクサクIS350しか見当たらない。と言ってもIS350は500万前後とやはり高価であるが・・・。比較的安価なIS250は完全にパワー不足であり、そのくせ450万とやはり高価である。ではスポーツセダンの代名詞スカイラインはどうか。この車はもはや大柄過ぎて日本のワインディングを飛ばすには無理があると思うし、デザインがあまりにも悪すぎる。クラウン・アスリートはデザイン、性能ともに良いがやはり大柄で何といっても高価である。飛びっきりの性能のGTRやレクサスIS−Fは庶民の手が出せる価格ではないし、エボXやシビックTYPE−Rは飛ばすには素晴らしいが到底のんびりと普段乗りができるシロモノではない。B4のライバルと期待していた先日発売のフォルティス・ラリーアートはインプレッションで書いているようにブッ飛んでいる限りにおいてはダイレクトで面白みがあるとは思うが、あまりに安っぽく洗練度に欠け、とても上品とは呼べない。ではそろそろB4の走りについて少し突っ込んで書いてみよう。大きな特徴は4WDであるという事であろう。このためFRのようにリアのスライドをステアリングとアクセルワークでコントロールし、一定のドリフトアングルでコーナーを駆け抜けてゆくという走りはできない。ただしB4の4WDの場合タックインが結構効き、簡単にリアをスライドさせアンダーステアを消すことができるし、FRなら素人の手におえないスピード領域でのリアスライドもアクセルを踏み込めばたやすく止めることができる。エンジンはラリーアートに比べると極低速トルクでは負けるが、逆に7000回転のレッドゾーンまでストレスなく回り、一般山岳路でも軽くリミッター速度まで加速する実力を持っている。ATは勿論パドルでのマニュアルシフトが可能であり、GTRやエボX、ラリーアートのSSTのダイレクトさはないが十分スポーツドライブが可能である。ビルシュタインのダンパー、アルミを多用したサスペンション、4輪ベンチレーテッドディスクブレーキ(ラリーアートはビルシュタインダンパーではないし、鉄製サスペンションでリアはソリッドディスクブレーキとコストダウンしている)は乗り心地とスポーツ走行をかなり高次元で両立させており、大きな声では言えないが160から170kmの超高速コーナリングも余裕でこなす実力である。しかも街乗りでは若干リアが固い程度で飛び跳ねたり揺すられたりすることは皆無である。またSiドライブという機能をもっており、iモードでは200馬力程度に抑えられ燃費も郊外でリッター10km超、高速や田舎道のエコランではリッター14kmを超えることも可能である。B4を購入してからエボX、インプSTI、シビックTYPE−R、ラリーアートと次々にスポーティ・カーが登場したが、今もう一度車を買えるとしてもB4それもお金があれば今はもう買えない「Tuned by STI」(S402ではない)を買うであろう。唯一の例外はIS−Fであるが到底払える金額ではない。

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