インプレッション記載が遅れたがレクサスIS−Fである。敷居の高いレクサス店にB4で乗りつける。店長が応対に出てきたので「絶対に買えないけれど」と断ったうえで試乗を打診すると意外に感じよく試乗させてくれる。さすがに767万、緊張する。内装は程よくスポーティさとフォーマルさを両立させた品格のあるものである。エンジンをかけると遠くで野太い音がするが、いたって平和な空気に包まれる。走り出すとゴツゴツとかポンポンとかはしないが、よく締め上げられたサスペンションで安心感がある。助手席の店長に断りいよいよフル加速を試みる。423ps、51.5kgmという途方もないパワーを感じさせないほど洗練されてはいるが、5000rpmあたりから明らかに勇ましくなる(そのようにセッティングされている)エキゾーストノートとともにグイグイ加速する。ただし加速感はエボXやインプSTI程度である。高速道の法定速度域を超えても車は安定し4WDと遜色のない安定感だ。ミッションは8ATで5MTや5ATに慣れた私には、いったい何速に入っているか分からないが、シフトショックもほとんどなく文句のつけようもない。インプレッサの試乗と同じタイトコーナーに突入する。「完璧」である。頭の中では「これはFRだぞ」と言い聞かせながらインプレッサより注意深く攻め込むと、みごとに躾けられたリアの挙動で、軽〜いテールスライドを伴いながら乱れることは一切なく見事に立ち上がってみせる。信号にさしかかり、これも店長に断ってフルブレーキ。さすがブレンボである。強烈に減速するがフィーリングも抜群だ。高級感、洗練度、加速感、操舵感、減速感、それにドライビングプレジャー、これほど全てを満たした車を私は知らない。インプレッサSTIを数段高級・高質にした感じだ。インプレッサで使った「完璧だ」は取消しIS−Fに与えよう。値段だけの価値はある。ただし素人の私には雨の日にはFRのIS−Fは怖くて踏めないだろう。いやいや恐るべき車だ。正直ホントに欲しい。

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