少し古びた青い本

□出会ったのは偶然か
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出会ったのは本当に偶然だった。

 フェイヨンの洞窟、死者が歩き回ると大聖堂へ相談のあった翌日。
まだアコライトだった香西は調査隊から外れ、いつものように一人で探索していた。
報告のあった通り、一階は動く死体と骨、蝙蝠であふれている。
とはいえ、動きは遅く、なりたてのアコライトでも引率のプリーストと何人かでPTを組んでいれば問題なく処理できる。
少々腐臭が気になるほかは。
転職間近に迫った者には、地下二階へ、との指示が出された。

「……えーと…」
入って最初に目にしたのは、一人の剣士だった。
一階にいた多くの死者とは違う、殺意の剥き出しなソルジャースケルトンを相手に必死に剣を振っている。
いつもであれば巻き込まれないよう素通りか、ブレスの一つでもかけて去るところなのだが…
この剣士、速さはそこそこのもののあまり敵に当たっていない。
段々と集まってくるのに対し、処理が追いつかない。
今倒れるか、ハエで逃げるかすれば距離的に数匹こちらに来るだろう。
逆に、それを気にして逃げられないのかと少し離れて様子を見ても、逃げようとせず、黙々と回復剤を消費しながら攻撃している。
弓だけでも、とニューマを一つ真上に置くと、骨の群れの中からお礼のつもりか手だけ挙がった。
「…」
目の前で死なれても後味が悪い…
そんなことを思いながら、とりあえず出来る支援をかける。
一人で動くことが多かったせいで、同レベルのアコライトに比べれば弱い支援であるが、何も無いよりはいいだろう。
現に攻撃も当たるようになった…少しだけ。
このままでは剣士の回復剤も切れ、支援のSPも切れる。
「少し処理しても?」
「お願いしますっ」
控えめに声をかけると間髪いれずに応えが返ってきた。
同時に自分の支援を確認し、一番弱いヒールで一匹づつ引きつけて殴り倒していく。
ヒールもホーリーライトも、攻撃には少々弱い。それなら、SPを消費して剣士へヒールが行かなくなるよりも殴ったほうがいいとの判断だったが、やっとこちらの姿を確認できたらしい剣士は驚いていた。
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