※シリアスです。
 ザックスもエアリスもライフストリームの中にいます。












「クラウド、泣いてるね」
「…あぁ」
「何も、誰も恨んでなんか、いないのに、ね」
「あぁ」

ライフストリームに取り込まれてどれ程の時間が経ったのか、もうここの世界には関係ない時を思う。
神秘的な緑の光から流れてくる想いは、まだ向こうの世界にいたときの最愛の人のもの。
なにも悪くなどない彼の人は、自分が目の前で死んだせいでその責を己のせいだと悔やんでいる。

クラウドの時間は未だに止まったまま。あれから随分経っているのに。

「泣かないで、ザックス」
そう声をかける彼女もまた、クラウドの目の前で息絶えた。その責すらも己のせいと決め込んだ彼の背には、どれだけの物が乗っているのだろう。

「泣かないで…」

頬に優しく触れる手の感触で、自分が涙を流していることに気付いた。

「エアリスも」

これは、何の涙?
自分を想って泣いてくれる彼への嬉しさ?
いつまでも泣いている彼への無念さ?
会いたいと思う歯痒さ?

きっと、どれも違う。
好きすぎて。
愛しすぎて。
想いが強すぎて、ひとつになってしまったんだ。



だからねぇ、おまえが笑わないと、俺たち笑えないよ。
(生をなくした俺たちの世界は君なんだから)



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