ディスティニークロスロード

□第9章 ディスティニークロスロード
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 第9章 ディスティニークロスロード

 地下で天野詠乃という真美のクラスメートに出会い地下を見てまわっている。

和真と祐樹は地下の商店街でさまざまなものを見ている。ヴァンパイア用の血も売られていた。

「今通ってきたような入り口は、いったい何個ぐらいあるの?」祐樹の質問に答えたのは詠乃だった。

「結構多いよ、あなた達の町だと5つぐらいかな。後でその地図を見れば大丈夫。」

その通りに2人とも地図を買った。「えっ?あの公園も入り口なの。家の近くだし。」和真が驚いている横で祐樹がつぶやいていた。

「入口も複数あれば、出口も複数あるみたいだな。ていうか入口が出口を兼任しているところがほとんどだ。ん、この出口専用のところの近くの十字路は何でこの道だけ街からとび出しているんだ。」

「後にそこには行きます。知ってもらった方がいいですから。」真美が言った。だが少し意味がこもってそうだと二人とも気づいた。

その後、真美と詠乃に案内されて2人は地下を見て回っていた。様々なものが売られていた。妖怪の力によってできたアイテムもあったが、地上でも買える生活必需品も多かった。

祐樹の質問が始まった。「ここにある店を開いている人たちはここに住んでいるのかい?」

「違うよ、ここにいる人たちはたまにしかこないの。実際に地上に家があって店と直通する道があるの。真美の家もお父さんが地下で薬を売っていることがあって家に店につながる通り道があるけど毎日行くことは無理、地上で仕事に就いているから週3,4日が限度なの。」詠乃が答えた。

それを聞いた和真が言った、「だからあいてる店が少ないのか。」

しばらくして和真が聞いた。「魔術族とか、風族とかあるけど妖怪の種族はどれだけあるの?」

「はい、さまざまありますが代表的なのは、炎族 風族 雪族 水族 雷族 地族 獣人族 擬人族 聖獣族になります。」

「その種族に属する妖怪の代表は?」祐樹が聞いた。

「炎族はサラマンダー、風族はかまいたち、雪族はイエティ、水族はカッパ、雷族は雷獣にサンダーバード、地族は砂塵族、獣人族は人狼など動植物に関係する者、擬人族はヴァンパイア、エンジェル、サタン、ミイラ男、魔術族など人間が自分たちに近いといわれているもの、聖獣族は伝説などに残っている、ドラゴン、フェニックス、ヤマタノオロチ、アジアの龍族、スフィンクス、グリフォン、ユニコーン、バク、九頭竜、麒麟などです。」

一通り話し終わった真美に和真が相槌を打った、「なるほど、結構あるんだね。」

「ホントは、もっとあるんだよ、だって沢山ありすぎるんだもん。」詠乃が言った後に街のはずれに出たが、そこには十字路があった。地上と地下を繋ぐ出口専用への通路の前の十字路だ。

「知ってもらった方がいいところって…。」

祐樹の質問に真美が、「ええ、Destiny crossroads(ディスティニークロスロード)、運命の十字路と言われています。ここに来た人間の運命の分かれ道としてその名がつきました。」

そう聞いた和真は、「運命の分かれ道って言うけど、どこにつながるの?」

答えたのは詠乃、さっきと違い真剣に重々しく答えている。「この道で行くのは、バクの記憶消去の館、出口、妖力習得の神殿…、出口は地上に出れる、館は罪を犯して反省しない人間、また妖怪の世界を去りたい人間などの記憶消去、神殿は判断の水の石の色に比例した妖力を授けるところなの。」

「バクが記憶を消すの?」不思議そうな和真に今度は真美が答えた。

「バクは、夢を食べるといわれています。夢は記憶の整理、正しくは強制的に眠らせ夢を見させてその妖怪の記憶を食べて記憶を消すのです。あの館には代々、バクの一族が住んでいて、妖怪の世界を人間から隠しているのです。」

重々しい話が終わって明るく真美が言った。「あなた達はお二人ともあの館には行く必要はありません。出口に行きましょうか。」

ここにも関所があった。関所を通り過ぎて地下の入口によく似た場所に来た。前は壁そして真美はコウモリのようなヴァンパイアの翼を、詠乃は真っ白な天使の翼を出していた。

「合図でジャンプしてください。」

真美の「1,2,3」の合図で。4人一斉にジャンプした。和真は抜群の反射神経で、祐樹は素早く何をするのか察知し気づいた。ジャンプしてまるで重力がないように上へ跳び続けている。そして、4人は地上へと帰って行った。

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