□恋愛予想図
2ページ/3ページ

「アポロ」

食べていたアポロは口を動かさずどこか遠くを見ていた

「…なんだ?」

「…なーんでも」

「…変な奴」

…だって今なんか考えているみたいだったし話しかけるのも馬鹿らしいと思ったからよ

「…怒ってんのかよ?」

「はぁ!?何でよ!!」

「不機嫌って…匂いで分かるぜ…?」

「!?」

「別に不機嫌なんか…」

ぷいっとそっぽを向いたら口の中に甘い物が広がった

「……何これ?」

アポロはニンマリ笑って
「この前山で見かけたんだ」

「山で…?」

「ああ、めったに無い実でさバロンが教えてくれたんだ」

「ふーん…なんて言う実なの?」

「……」

急に黙り込んで後ろを向いたアポロ

「どうしたのよ?教えなさいよ」

アポロの前に出たら…

「〜〜っ」

顔が赤かった…

「なっ…なんで顔が赤いのよ!?」

「〜っ姫実!」

「えっ!?」

「姫実って言うんだよ」

「ひめ…み?」

聞いたことのない実の名前だった

「この実って別の言い方もあるんだぜ?」

いつの間にか私の隣に座って

「…どんなの?」

「初恋」

「えっ!?」

かぁぁあっと顔を赤くするアポロ

思わず私も赤くなる

「…つまり…意味は二通りあるんだぜ?」

「二通り…」

「アナタを愛しています」

「ぇっ…」

「もう一つは…」

アポロは私に笑って

「機嫌を直して下さい…お姫様」

思わずこらえてしまった涙が出てきそうだったから…アポロがお姫様って言うなんて…

「…分かってて私に渡したの?」

「バロンに何度も教えられたし」

「答えになってないわよ…」

「まぁ好きな子には渡せってバロンに言われたしさ」

「…じゃあ…キスして」

「なっ!?」

「機嫌を直して欲しいんでしょう?」

「…しょーがねぇお姫様だぜ全く…」

そう言うと私に軽くキスをしてくれた

甘い甘い初恋

私は大満足

機嫌は直ったわよ?

…王子様?



    〜end〜
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ