□淡い色の日々
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「アポロ」

「なんだよ?」

木に登っているアポロに話し掛ける

「なにしてんの?」

「ああーコイツに餌をやっていたんだよ」

それはとても小さな雛鳥で

命が儚く見えた

「他の雛達には餌やんのにコイツだけくれないんだぜ?」

「そうなの…」

可哀想に…

「俺はコイツにちゃんと巣立って欲しいんだ」

「ふーんまともなことも言うのね」

「なんだよ俺だって言うときは言うぜ?」

周りを見渡しとても綺麗な緑が広がっている

「なーんか平和ね」

「平和でいいんだよ」

「…堕天翅に勝たないとね」

「ああ!バロンやチビコ達を助けに行くんだからな」

この時間が続けばいいのに

「シルヴィア?」

(きゅぅ〜)

「……!」

あはははははっと笑い出すアポロ

「おっお前も…腹っ減ってんのかよっ」

思わず赤面になってしまう

「わっ悪い?」

「そんじゃあこれやるよ」

「へっ?」

アポロから貰ったものはさっき雛鳥にあげていたパンだった

「食って良いぜ?」

ニンマリ笑うアポロ

「…じゃあ…いただきます」

ぱくり

食べればとても美味しかった

私は毎日こんな風に生活したい

アポロと一緒に喧嘩したり…愛を囁きあったり…

今は我慢

堕天翅を倒せばこの日常が待っている

私はベクタールナに乗ってそう思った

幸せの為に…
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