星
□薔薇園と血の園
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数日前
薔薇達の世話をしていると鈍い痛みが広がった
指を見るとそれは赤の薔薇よりも情熱的で
まるでルビーとでも思う赤い赤い雫
それはプックリと膨らんではまるで
薔薇の水滴…いや、女人の涙そのものに見える
私はそれに魅入ってしまった
膨らんだソレは膨らみすぎて一雫の赤い涙に見えた
「……美しい…」
血を見て"美しい"とは…私も病んでいるのだろうか…
この赤い薔薇に似合うのは白い薔薇か白い掌
それでも叶わないのなら蒼白い掌でもいい
この赤い赤い薔薇が似合うのなら
いや…"薔薇"じゃない…もっと他の………!
"血"だ!
私は薔薇よりも血を愛おしく思い始めていたのか
それは赤い秘めやかな宝石
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