12/30の日記
15:45
★SS(甘くしてみよう!
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最近、何かおかしいなーと思ったらうちのお二人さん甘くないのですね。
こうね、もうちょっと初々しく甘いものが見たいわけですよ。
そんなわけで、ネウロさんに助手モードで甘くしてくださいとお願いをしてみました。
「あのーすいません」
「何だ」
「えっと、先日はどうもありがとうございます」
「なに、礼には及ばん」
「それでですね、あの、最近糖分が少ないかなーなんて……って何ですかこれ」
「サトウキビだ」
「わーい、生のまま!ってそういうことじゃなくてですね」
「単刀直入に言うと?」
「助手モードでちょっと甘い話をひとつ」
「報酬は?」
「ドSエロ話を書きますんで」
「それでは我が輩がそれを望む変態のようではないか」
「……」
「まあ、貴様が自らM字開脚をしながら鼻に割り箸を刺してサタデーナイトフィーバーを踊り狂うとまで言うなら仕方ない」
「言 っ て ま せ ん が」
そんな病気なみずもりの脳内はさておき
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慣れたとは言っても、取材前はどんな顔をしていいかわからない。
鏡の前で笑う自分は、まるでピエロみたいに滑稽だ。
引き攣った笑いを浮かべて、溜め息をついて、また笑ってみて。
もう一度溜め息をつこうとした瞬間、鏡が迫ってきた。
「もぎゃーーーーーっ!!!」
鼻も唇も押しつぶして思い切り張り付いてくる鏡を必死に引っぺがす。
案の定、そこにある緑色の瞳を睨みつけた。
「何すんのよ!」
「先生のそのミジンコのような美しさはアップでないと見えないくらいの微少さですから!」
「マジ顔で言わないでよ……」
脱力して鏡を置く。
まあ確かに、自分は自分以上にはなれないのだから、今更取り繕ったところでどうしようもないのだが。
ふっと心の強張りも解れて、笑う。
いつもどおり、楽しいことを見つけにいこう。
今日はどんな人の心に出逢えるのだろう。
何となく、自分らしさを取り戻せた気になって振り返る。
お礼、とまでは言わないまでもひとこと言おうとした瞬間、
「あ、先生ファンデーションお忘れですよ」
「ん?」
ばふっ
顔面に押し付けられたケーキ。
ど っ か ら も っ て き た 。
「あのね!ちょっともう時間ないのに何てことを!」
急いで顔を洗って鏡を覗き込む。
「もう……!」
「先生、鼻毛が出てますよ」
「出てないよ!ちゃんとケアしてる!」
「ほお、鼻毛はきちんと処理済、と」
「繰り返すな恥ずかしい!」
「あ、鼻が上向きですよ?ちゃんと整形しないと」
「今更遅いわ!っていだだだだこれ以上に上向けないでっ」
「ほら先生、チークも塗らなきゃ」
「いや、それチョークだし。って塗るな塗るなもうまたやり直しじゃんか!」
ばたばたと仕度をしては邪魔されて、ようやく終えれば開始5分前。
「あっぶな……」
青ざめながら、もう一度鏡を見ながら襟を整える。
背後にひょいと覗き込んでくる長身。
唇がにやりと吊りあがった。
「先生」
「何よ。もうこれ以上は邪魔しないでね。変な取材されて依頼が減って困るのはあんたなんだから」
「でも先生……、昨日のキスマークが見えてますよ」
「え、だって昨日はそんなプレイ、……」
普通に返しかけて、言葉が止まる。
一瞬の静寂。
今、私、何を言おうと、
みるみる背中から首筋に向かって熱がせり上がってくる。
汗がぶわりと額から噴き出した。
そして追い討ち。
「あれ?先生、絶頂のあと意識を手放されて気付かなかったんですか?」
そっと頭を首筋に寄せてきて、首元で含み笑い。
「結構きつく痕をつけたんですけどね。この襟足とか。ああ、ぎりぎり見えない……かもしれませんね?」
うなじに寄せられる冷たい唇の感触。
ばっと振り返って首を押さえる。
まさか、そんな。
「桂木探偵、取材始まります!」
扉が開けられて、アシスタントらしき人が入ってくる。
「準備大丈夫ですか?」
「え、あの、」
言葉が出ない。
首を押さえたまま振り返れば、魔人は艶やかに笑みながら目を細めて手を振る。
「では、いってらっしゃいませ、先生。お帰りをお待ちしております」
「〜〜〜〜っ」
悔しさと恥ずかしさで言葉を出せないまま、首を押さえて後ずさる。
「桂木探偵?」
見えているかなんて、他の誰にも聞けない。
このまま隠し通すしか。
いや、でも魔人の嘘かもしれないし、
……ちくしょう。
結局当然のことながら、その取材はお世辞にも上手くいったとは言えず。
終わり
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あれ?
思ったのと方向性チガウような……。
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