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調教(完結)
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キラはアスランは大好きだ。
綺麗だけれど自分のように女の子みたいじゃない顔も、スラリとしているようでちゃんと筋肉がついている体も。再会してからどんどん引き離された身長には悔しく思う時もあるが、背が高いからこその広い肩幅や長い腕が好きなのだから文句をつける所ではないだろう。男にしては華奢な自分は余り好きにはなれないが、アスランに抱き締められて丁度いいから我慢しようなんて思ってしまうのだから相当な重症である。
しかも外見だけではなく、手先が器用で何でも難なくこなすのも、明晰な頭脳も、その割りに口下手という内面も大好きで。
その上、アスランはキラに本当に優しい。
まだほんの子供の時から、キラが分からないことでも、面倒がらずにちゃんと教えて助けてくれた。
どちらかといえばトロくさかった子供時代のキラが、こうしてザフトの白服なんか着ていられるのも、全部アスランのお陰だと半ば本気で思っている。




******


「……っ…レ‥イ!」


予定外に仕事が早く片付いたキラは自室に帰ろうとして、廊下まで聞こえてくる苦しげな声に足を止めた。
ザフトでのキラの部屋はシンの部屋のもう一つ奥にある。そのシンの部屋の前を通った時にその声は聞こえた。

不思議に思ってシンの部屋を見ると、僅かにドアが開いている。今日はシンは非番だったはずで、中から人の気配がするのだから、声の主はシンなのだろう。具合でも悪いのかもしれない。

「シン?いるの?」
部屋の灯りは何故か消えていて、見過ごせなかったキラが、殆ど恐る恐る中を覗き込んだ時だった。


「ああっ!レイ!」
「シンはココがイイんだよな?」
「っ!ヤダ!!意地悪すんなって――っ」



流石のキラにだって、そこにレイも居て、二人がナニをしているのかくらい即座に分かった。そしてこれでは自分がただのデバガメだということも。

キラは逃げるようにシンの部屋を後にしたのだった。





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